2021.12.10
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理想は「三河屋のサブちゃん」…?カクヤスの「ピンチに強い」経営哲学

「冷蔵庫の隣まで運ぶ」ことが生む信頼

差別化の中で「宅配強化」が生まれた

──今や「酒の宅配」と言えばカクヤスというほど定着していますが、このビジネスモデルは社長の代になって始めたと聞きました。

佐藤:私がカクヤスに入って4,5年経った80年代半ばはバブルの絶頂期です。その頃登場したキャバクラなどの新たな飲食店に営業をかけ、売り上げはそれまでの倍に増えました。ところがその途端にバブルが崩壊。苦労して契約にこぎ着けた飲食店がどんどん消えていく。精神的にも一番きつかったのはあの頃です。

ちょうどその頃郊外で酒のディスカウントショップが存在感を高めていました。うちもやろうと思ったのですが、我が社は店舗も狭いし駐車場もない。これではディスカウントに太刀打ちするのは無理でした。

そこで思い至ったのが宅配でした。ディスカウント価格で宅配を始めれば勝てると考えたのです。こうして有料配達付きディスカウント酒店「スーパーディスカウント 大安」が誕生したわけです。

──すぐに結果は出ましたか。

佐藤:売れましたね。ただ、予想外だったのは、売り上げの9割が店頭販売だったことでした。商圏内の近くには郊外型ディスカウントはないため、住民は近所の酒屋から定価で買っていました。

低価格というだけで支持されたわけです。それが最初から分かっていれば宅配は始めなかったかもしれません。それが今まで続いているのですから、世の中不思議ですね。

その後、酒類販売の規制緩和が決まり、数年後にはスーパーもコンビニも酒を売ることができるようになりました。彼らとは価格では勝てませんから、配達の仕組みをより進化させるしかないと思いました。

そこから、「1本から、配達エリアも東京23区内ならどこでも無料で運びます」という現在まで続くシステムを構築したわけですが、ディスウント店の多くは、品揃えや接客が悪くても我慢しろという雰囲気がありました。正直に言えば、我が社もそういう時期があったと思います。

しかし、スーパーやコンビニと戦うにはそれはだめで、我々はお客様の期待に何でも応えたいと思っている。その姿勢を言葉にすることにしました。そこで、「なんでも酒やカクヤス」に看板もすべて掛け替えたのです。

この「なんでも」には、「お客様のご要望に『なんでも』応えたい」という我々の姿勢や想いを込めています。