異常なまでに子供に執着する母親

昨今、SNSなどで頻繁に使われるようになり、2021年の新語・流行語大賞にもノミネートされた「親ガチャ」という言葉。子供は親や生まれる環境を選べないことを、カプセルトイやソーシャルゲームのくじ引きにたとえている。

Kissで連載中の漫画『神様を殺す子供たち』は、そんな親ガチャに大ハズれした29歳の社会人女性、辻史絵莉(つじ・しえり)が主人公の物語だ。

幼い頃から女手ひとつで育ててくれた史絵莉の母だが、帰宅したとたんに仕事の愚痴を垂れ流すばかり。ご飯は史絵莉が作り、母はただお酒を飲むだけの毎日だ。さらに「史絵利がいてくれてよかったわ」「史絵莉のおかげでお母さんがんばれたのよ」という言葉が、史絵莉を追い詰めて行く。

問題はそれだけではない。母は下着を買うのにも一緒についてきたがり、土日も娘の外出を許さず一緒にいることを強要するなど、異常なまでに娘に干渉し執着する、いわゆる「毒親」だった。

『神様を殺す子供たち』小宮みほ子/講談社
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娘は自分のもので、自分の思う通りに動いていると信じている母だが、実は史絵莉には人には言えない肉体関係を持つ、幼なじみの大輝という存在がいた。昼休みのたびにホテルで関係を持つ2人。そしてじつは大輝も、男遊びが激しい母親を持ち、家はゴミ屋敷という、親ガチャにハズれた子供だった。

「お母さんと二人で居て笑顔をつくればつくるほど お母さんのこと殺したくなるんだよね」

と話す史絵莉に、大輝は「殺したい人間がいるのは普通のことだ」と話す。

『神様を殺す子供たち』小宮みほ子/講談社

家族に恵まれなかった 二人が心を寄せ合い、助け合って行くストーリーのようにも思えるが、彼らは過去に秘密があり、大輝にはなにか思惑があるようで……。