悲しい出来事を増やさないために

日本でも、前回の第5波で思いもよらない悲しい出来事が起こりました。重症化した妊婦さんが、早産で自宅出産し赤ちゃんが亡くなられたというケースです。当初、「妊婦さん世代は重症化しないから」と積極的に接種を勧めないような空気がありました。ですが、デルタは若い世代にも感染拡大し、妊婦さんにも広がってしまった。

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ワクチンによってそのケースが防げたかどうかは、もちろん分からないですが、防げた可能性は大いにあり、このような「予防できた死」は1件でも減らしたいと思うのです。子どもに関しても同じように言えるところがあって、このウイルス、本当にどこで急な変化が起きるか予測できません。その時になってから考えるのでは遅すぎるのです。

妊婦さんへの接種も日本ではなかなか指標がまとまらず、逆に妊婦さんの不安が増えた印象もあった。photo/Getty Images

もちろん、ワクチンを打ってすぐに元通りの生活に戻るわけではないんですが、より多くの方がワクチン接種をして抗体を持つようになることで、今ある抑制は少しずつ軽減できるようになります

やはり子どもたちには笑いながら給食を食べてもらいたいですし、思いっきり子ども同士で一緒に遊んで、習い事とかもさせてあげたい。それに近づくために「ワクチンなしでは無理なのか?」と言われたら「無理ではないかもしれないですが、非常に難しい」というのが現実です。

日本ではまだ12歳未満は接種対象ではないですが、日本も近い将来、小児の接種に関しては議論も進むと思います。これはアメリカのひとりの医師、また3人の子どもを持つ母親からの意見として参考にしていただけたらなと思うのです。

ワクチン接種後、15分待機中の内田医師の息子さん。注射を打ったことを忘れ、ポケモンGo!に夢中だったんだとか。写真/内田舞