中国「6中全会」で採択された「歴史決議」から見えてくる“二つの可能性”

「共産党主席」のポストは復活するか

「社会主義の実験国家」中国

ワシントン取材を半世紀以上にわたって続け、86歳になられた現在でも、なおワシントンの第一線で取材を続けておられるジャーナリストの日高義樹氏(元NHKアメリカ総局長)が、ある時、私に向かってしみじみと述べた。

「アメリカという国は、人類最大の民主主義の実験国家だ。言葉も肌の色も宗教も食事も違う150以上の国から移民してきた人々が、大統領を選ぶ『1票』を平等に受け取る。それによって国民が、自己の自由が保証され、『アメリカン・ドリーム』を実現するのに最適と思う候補者に投票する。

そうやって選ばれた人が大統領になって、世界最強国を動かしていく。そして4年後に再び、新しい候補者が出てきて、多種多様な国民が再び『1票』を投じて大統領を選ぶ。アメリカという国は、こうしたシステムが人類にとって最もふさわしいと考えて実践している民主主義の実験国家なのだ」

アメリカという国の本質を、「民主主義の実験国家」と看破したのである。

その時から私はずっと、では中国とは何なのだろう?と考えている。さしずめ、「社会主義の実験国家」と言えるかもしれない。

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本来なら前世紀末に、「社会主義の総本山」だったソ連の崩壊とともに死滅する運命だった社会主義という国家システムが、21世紀まで中国で生き残った。それどころか周知のように、年々パワーアップし、まもなくアメリカと肩を並べようかというレベルまで強大化してきている。

 

先週8日から11日まで、そんな中国で、「実験の成功」を自画自賛するためのイベントが開かれた。「6中全会」(中国共産党第19期中央委員会第6回全体会議)である。最終日には、「中国共産党中央委員会の党の百年奮闘の重要な成就と歴史経験に関する決議」を満場一致で採択した。いわゆる「歴史決議」である。 

11日の夜に、「歴史決議」の要約にあたる「公報」(コミュニケ)を、国営新華社通信が報じた。精読すると、まさに中国が「社会主義の実験国家」であることを示している。以下、所見を述べたい。

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