Twitterフォロワー数が60万人を超える人気ゲイ漫画家、小説家の望月もちぎさん。今月12日に新刊『このゲイとは付き合いたくない!!!』が発売されました。もちぎさんと親交の深い熟年ゲイの「おじい」、そして親友「ネコーハイ」との交流に、時に笑い、時に涙する一作です。辛い過去を抱えていたり、自分のアイデンティティに悩んでいたりする人にとって難しい、人との距離――。この一作を通してもちぎさんが伝えたかったことを伺いました。

深い付き合いが苦手だった

気性の激しい母の元、幼い頃から母子2人きりという家族環境で育った望月もちぎさん。高校生になると母親に「家にお金を入れろ」と求められ、ゲイ風俗で働き始める。そして18歳で、遂に家出。ゲイ風俗で働きながら何とか大学を受験し入学、そして卒業。企業に就職するも、過去のトラウマからうつ病を発症して退職してしまった。

『このゲイとは付き合いたくない!!!』第2話より。

そんな人生を歩いてきただけに、もちぎさんは人と深い付き合いや長い付き合いをするのが苦手だった。ところが、気づけば7年以上も付き合い続けている熟年ゲイのおじいと親友のネコーハイ。新刊『このゲイとは付き合いたくない!!!』は、もちぎさんと2人とのユーモアあふれる関係性を綴ったコミックエッセイだが、発売された今、もちぎさん自身があらためて2人と過ごしてきた時間の長さに驚いているという。

『このゲイとは付き合いたくない!!!』第1話より。
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「もともと人と話すことは大好きなんです。でも、深い付き合いをしていこうという考えは全く頭になくて。そもそも人と深く付き合うなんて、僕にはできないと思っていました。人が人生において一番長く深く付き合うのが家族だと思いますが、僕はそこで失敗しています。ならば当然、他人となんてもっと無理だろう、と。今の時代はSNSもあるからゲイネットやゲイタウンに行けば出会いがあるし、ゲイだから結婚もしないだろうし。だから浅く広い付き合いを続けていければそれでいいや、と割り切っていたんですよね」