少年の尻肉がえぐられた「迷宮入りの猟奇事件」…逮捕された男が歩んできた「驚くべき来歴」

穂積 昭雪 プロフィール

まず切り取った臀肉は野口家へ持ち帰り、ハンカチで包んで書籍箱に丁寧に保管。そして翌日、男三郎は学校へ行く振りをし、ハンカチに包まれた人肉を手に陶製の鍋と焜炉(コンロ)を買った。隅田川沿いの貸舟屋で舟を借り、誰も見ていないことを確認すると東京湾上に出て船上で炭火を使い人肉を海水で清めた後、二時間ほど煮詰めてスープを作った。

約一合分のスープが出来上がると今度はそのスープを空の牛乳瓶に詰めた。出汁を取った肉をはじめコンロや鍋などは、持って帰ると証拠に繋がることからすべて海の中に沈めた。

人間の肉を煮て作ったスープは、牛肉や豚肉とは違うまったく独特の臭いがあり、そのままでは怪しまれてしまう。男三郎は帰りがけに炊き立ての鶏肉のスープを買って帰り、人肉スープと混ぜ合わせ飲みやすくした。

〔PHOTO〕iStock
 

男三郎は、このスープをさっそくそえ子に渡し、兄にも飲ませるように薦めたという。

寧斎が実際にスープを飲んだのかは不明だが、警視庁史明治編(警視庁史編さん委員会)によると、そえ子は公判時に「男三郎が土産物を買ってきたことはあるか」との質問に対し「日本酒の瓶に入れたスープを飲まされたことがあるが普通味だった」と答えており、もしそのスープが人肉であったならば、配合の結果、鶏肉のスープと大差のない味になったようだ。

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