尻肉をえぐられた少年の遺体が見つかった…迷宮入りした「明治の猟奇事件」、その一部始終

犯人が逮捕できず時効を迎えてしまった事件を「迷宮入り事件」と呼ぶ。今から100年以上前の明治時代。東京で人々の関心を集めた「迷宮入り事件」があった。

人肉取り

事件は明治35年(1902年)3月27日に発生した。東京府東京市麹町区(現在の東京都千代田区二番町付近)で夜、風呂屋の帰りに砂糖を買いに出かけた11歳の少年が行方不明になったのである。

この日、麹町に住む中島新吾の長男・惣助は、夜8時ごろ母と妹とともに近くの銭湯へ出かけた。銭湯の帰り道、砂糖を切らしていたことに気が付いた母親は惣助に「砂糖を買ってきておくれ」と頼み、母と妹は一足先に自宅へと帰った。

同じころ、父親で家主でもある新吾も仕事から帰宅したが、1時間待っても息子の惣助は帰ってこず新吾は惣助を迎えに行くことにした。

数分前に歩いた夜道を進むなか、新吾は小さな下駄が落ちていることを発見した。その下駄には見覚えがあった。息子である惣助が履いていた下駄だったからだ。

〔PHOTO〕iStock
 

驚いた新吾は急いで家に帰り、麹町警察署へ捜索願を出した。

心配のあまり気を失いかけている妻の隣で、新吾は仕事からの帰宅途中に出会った「怪しい人物」のことを思い出していた。

その人物は大きなコート(トンビコート)を羽織ったやせ型の男で、路上に突っ伏していた。

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