2021.11.16
# 不動産

「東京の価値」の低下が止まらない…「23区のオフィス」はもういらない?

緊急事態宣言明けのいま、どう変わるか
鷲尾 香一 プロフィール

空室率は増加、賃料は低下

こうした東京からの人口流出の背景には、新型コロナ対策で在宅勤務、テレワーク、あるいはサテライトオフィスなどにより、東京のオフィスで働く必要性が低下し、“働く場所の選択”が可能になったことが大きい。

在宅勤務やテレワークなどが進んだことは、企業の行動にも大きな影響を与えている。オフィスの縮小はもとより、本社機能を地方に移転する動きまで広がった。

大手信用調査機関の帝国データバンクの調査によると、21年1~6月に首都圏外に本社を移転した企業数は、過去10年で“最多”の186社にのぼり、首都圏に本社を移転した企業数172社を14社上回った。

同社では、「このペースが年後半も続いた場合、首都圏外への本社転出数は300社を超え、90年以降で最多だった94年の328社を上回る可能性もある」としている。

 

在宅勤務やテレワークなどによるオフィスの縮小や本社機能の首都圏からの移転は、東京のビジネス地区(千代田区、中央区、港区、新宿区、渋谷区)のオフィス需要に“より鮮明”に現れている。

三鬼商事のオフィスマーケットデータによると、東京ビジネス地区の9月の平均空室率は6.43%。直近のボトムだった20年2月の1.49%から19ヵ月連続して上昇し、4.3倍も空室率が拡大した。

オフィス需要の低下は、1坪当たりの平均賃料にも表れ、9月は2万858円と14ヵ月連続して下落した。直近のピークだった20年7月の2万3014円から2156円(9.4%)も下落している。(表4)

表4:東京ビジネス地区の平均賃料と平均空室率

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