迫る就職氷河期世代の老後困窮、2040年に生活保護費の総額は9兆円規模に

消費税率2.5%引き上げが必要に

世帯主が労働年齢期にあるときに非正規であると、退職金や年金が不足するため、退職後に生活保護の対象になる可能性が高い。非正規労働者の比率の推移から計算すると、2040年における高齢者向けの生活保護費は、現在の3.8倍となる。これを賄うためには、消費税率を2.5%ポイント以上引き上げる必要がある。

世帯主が非正規だと退職後の困窮の危険が

日本人の老後生活は、主として、年金、退職金、貯蓄の3つによって支えられる。ところが、このいずれも不十分な人たちがいる。世帯主が非正規労働者である場合がそれだ。

by Gettyimages

非正規労働者は、現在も恵まれない勤務環境にある。それだけでなく、退職後にも問題を抱える。まず、年金が十分でない場合が多い。そして、退職金がない場合が多い。

日本では、退職金が老後資金として重要な役割を果たしている。厚生労働省の「就労条件総合調査」(2018年)によると、退職一時金は、大学卒で2156万円、高校卒で1969万円だ(いずれも、管理・事務・技術職。会社都合の場合)。

また、日本経済団体連合会が2019 年4月に発表した「2018 年9月度 退職金・年金に関する実態調査結果」によると、「管理・事務・技術労働者(総合職)」の 60 歳では、大学卒が 2255.8 万円、高校卒が 2037.7 万円となっている。

「老後資金として2000万円必要」という金融庁の金融審議会の報告書が話題を集めたことがあるが、こうした数字を見ると、その条件は多くの人が退職金でクリアできるように思える。

 

ただし、それは正規雇用者の場合だ。しかも、大企業に長年勤めた場合だ。非正規だと、ほとんどの場合に退職金はないだろう。仮にあるとしても、勤務年数などの点で、不十分な額の場合が多いと思われる。しかも、賃金水準が低いので、十分な貯蓄もしていない場合が多いだろう。

したがって、老後生活資金に困窮する危険がある。そして、生活保護の対象になる可能性が高い。

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