2021.11.12

11月12日 数学者・谷山豊が誕生(1927年)

サイエンス365days

"サイエンス365days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介するコーナーです。

1927年の今日、数学者の谷山豊(たにやま・とよ、1927-1958)が生まれました。下の名前は元々「とよ」と読むのが正しいものの「ゆたか」と読み間違える人が多く、やがて本人も「ゆたか」と名乗るようになったといいます。そのため世界的には「ユタカ・タニヤマ」の名前で知られています。

彼は数学の「谷山-志村予想」に、同じく数学者の志村五郎(しむら・ごろう、1930-2019)とともに名を残すことで知られています。谷山は東京大学理学部数学科助手や東京大学教養学部助教授を務めましたが31歳という若さで亡くなりました。志村は谷山を「当時、最も輝いていた先駆的な頭脳の持ち主」と評したといいます。

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谷山-志村予想とは、1955年に栃木県日光市で開かれた数学の国際会議の中で提起された問題を原型とする、「すべての有理数体上に定義された楕円曲線はモジュラーである」という予想です。これは、ある数学上の難問を解決する上でのちに大きな役割を果たすこととなります。

証明をめぐって350年以上にわたり世界中の数学者たちを悩ませたその難問が「フェルマーの最終定理」です。これは「3以上の自然数nについて、xn+yn=zを満たす自然数の組(x,y,z)は存在しない」というものです。

イギリスの数学者アンドリュー・ワイルズ(Andrew John Wiles、1953-)は半安定楕円曲線に関する谷山-志村予想を証明することで、フェルマーの最終定理を証明しました。

また、一般の場合についても、ワイルズと共にフェルマーの最終定理を証明したリチャード・テイラーらによって2001年に証明されています。