FXの基本「レバレッジ」のメリットとデメリットを理解しよう

高野: いよいよ今回はFXの特長の一つであるレバレッジについて勉強しましょう。石田さんはレバレッジと言う言葉はご存知ですか?

石田: 経営者の方がレバレッジ経営という言葉を使うのをよく聞きます。他人資本を使うことで自己資本に対する利益率を高めるというような意味ですよね。

高野: おっ、詳しいですね。FXにおけるレバレッジもほぼ同じ意味です。日本語では「テコの原理」とも言いますが、一定の保証金(証拠金)を預けることで、それより大きな取引が出来ることを指しています。保証金というのは説明しましたっけ?

石田: FX取引をするための元手、というような意味ですよね。

高野: 簡単に言えばFX取引の参加料と考えてください。

 例えば石田さんが100万円を保証金としてFXの取扱業者である「FXプライム」に預けたとしましょう。これでFX取引が始められるわけですが、この100万円をドルやユーロと交換するわけではありません。100万円を担保としてFXの取扱業者に預けることで、100万円以上の取引ができる、これを保証金取引(証拠金取引)と呼びます。

石田: 以前教わったドルを持っていなくても「ドル・円」を売る取引が出来るというのも、保証金取引だからですね。

高野: そうです。

 では話を戻してFXにおけるレバレッジの倍率を説明しましょう。例えば1ドル80円の時に1万ドルの取引をする場合、日本円で言うと80万円が必要になります。80万円の取引をする場合、保証金として80万円預けていればレバレッジは1倍、40万円なら2倍ということになります。

石田: 保証金が80万円の人も、40万円の人も、同じ80万円の取引ができるのですか?

高野: いい所に気付きましたね。それがFXの最大の魅力でもあるんです。場合によっては保証金1万円で80万円の取引をすることも可能なんですよ。それがレバレッジ「てこの原理」です。

レバレッジとリスクの関係

石田: そうしたら皆さんより少ない金額で取引したいと思いますよね。

高野: そうですね。FXは少ない保証金で大きな金額の取引ができる所にメリットを感じて始める人が多いのは確かです。ただ、高いレバレッジをかければ、それだけリスクも大きくなってしまうんです。

石田: この何倍というのは、取引する会社によって違うのですか?

高野: かつては何も規制がなかったので400倍など高いレバレッジで取引できる会社もありました。しかし、昨年8月から個人は最大50倍に法律で規制されたため、国内にあるすべての会社が最大50倍になっています。更に今年の8月からは25倍までになります。

石田: レバレッジを引き下げるのは、どうしてでしょう? 高いレバレッジが使えるほうが投資家にとってはメリットがあるのですよね?

高野: 「高いレバレッジ」がFXの魅力の1つですが、高倍率の取引が出来ると、個人投資家はついそれを使ってしまい取引額が大きくなる傾向があります。そうすると予想外の損失を抱えてしまう懸念がある為、投資家保護のために高倍率を禁止するというのが、金融当局の考え方です。

 ただ本来は投資家が正しくFXを理解できるように、当局もそしてFX会社も取り組むことこそが、本来の意味での投資家保護だと思います。

石田: わかりました、しっかり勉強してからFXを始めます!(笑)

高野: そうですね。レバレッジには利点も欠点もあります。

 メリットは先にも言いましたが少額のお金しかなくても大きな取引が出来る点です。大きな金額の取引が出来れば、それだけ利益も大きくなる可能性があります。これは別の言い方をすると、投資対象、つまり為替の値動きが大きくなくても、レバレッジをかけることで利益を大きくすることができるということです。

石田: 投資対象の値動き、ですか?

高野: 為替市場と株式市場でどちらの値動きが大きいと思いますか?

石田: 株ですか?

高野: そうですね。去年1年間で見ると日経平均の変動幅は約25%に対してドル・円相場は16%。過去の歴史を見てもドル・円はほぼ15%程度です。つまり、為替はそんなには動かないから損する危険性も低い反面、儲からない。でも、レバレッジを使えば、株並みに儲けるチャンスもあるというわけです。

石田: たしかに株では投資したお金で1年後に5倍、10倍になりましたという話は聞きますが、外貨預金で10倍になったというのは聞きませんね。

高野: ただし、デメリットはこれと反対です。自分の判断が間違いだったときの損害が大きくなる。

石田: そうか、レバレッジが大きいと儲かるときは大きく儲かるけど、失敗すれば損が大きくなる。シンプルですね。

高野: 今回は詳しく説明しませんが、通貨ペアによって為替の変動幅が異なります。

 例えばドル・円よりもポンド・円の方が動く値幅が大きいので、ドル・円でポンド・円と同じくらい利益を出したいと思う場合、その分高いレバレッジを賭けることで、大きな金額の取引をするという方法もあります。

石田: 初心者は低レバレッジから始めた方がいいと、よく聞きます。

高野: よく言われることですね。ただ私はむしろ、どれだけの大きさの取引をしているかを意識することが大事だと思います。専門的には「想定元本」と言いますが、1万ドルの取引か、10万ドルなのかの方が大切です。

 例えばドル・円の為替が1円動いたとすると、1万ドルの取引をしていれば1万円程度の損得が出るのに対し、10万ドルなら10万円。これはレバレッジを何倍にしても同じです。大切なのは、為替がどれだけ動くことで、どれだけ儲かったり損をしたりするか。それを意識しながら取引することでしょう。

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