40歳を前にした女性二人が一緒に暮らす。それも、マンションを共同で購入して――。ひと昔前だったら驚きをもって受け取られたであろう「結婚を選択しない」この暮らしにいま、日韓の女性たちから共感の声が集まっている。

女ふたり、暮らしています。』は、韓国の人気コピーライターのキム・ハナさんと、元ファッション誌編集者のファン・ソヌさんが上記の暮らしを実践し、猫4匹と近所の友人たちと楽しく過ごす日々をそれぞれがリレー形式のエッセイとして綴ったものだ。

2019年に韓国で出版されるや否や話題を呼び、今年、日本で翻訳版が出版された。日本でも近年、オタク女子4人が集まって一緒に暮らすという本(『オタク女子が、4人で暮らしてみたら。』藤谷千明著)が出版されるなど、女性たちの新しい暮らし方・生き方が注目を集めている。

本の刊行から2年、結婚だけではないライフスタイルや家族のあり方への関心が日韓両国で少しずつ広がるなか、著者のふたりは周りの状況についてどのような変化を感じているのか。現地ソウルで話を聞いた。

左から、キム・ハナさんとファン・ソヌさん/撮影:チョン・メルメル
キム・ハナ(写真左)
「コピーライター」「エッセイスト」「しゃべり屋(ラジオやポッドキャストの進行役)」としてフリーランスで活躍。作家としての著書も多数。

ファン・ソヌ(写真右)
ファッションエディターを経て現在はフリーランスのエディターとして活躍。
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韓国で生まれている、未婚と既婚の対立

――著書を執筆されていた頃と比べ、多様なライフスタイルが韓国で少しずつ受け入れられていると感じますか?

ハナさん:私たちの本がきっかけかは、はっきりとはわかりませんが、新しいライフスタイルや家族のかたちに関する書籍がたくさん出版されるようになったと感じています。

ソヌさん:ただ一方で、韓国では未婚と既婚の人たちのあいだで対立が生まれているように思います。結婚して子供を産んでいる女性が、未婚で働いている女性から見下されるような発言があります。「あなたみたいに家で遊んでいるんじゃなく、私は仕事をしているから忙しい」とか、「私も結婚してれば仕事を諦めてただろうな」とか。

でも、未婚・既婚関係なく、誰かと一緒に暮らすということは大変なんですよね。私たちの本の中でも、家事分担の話があります。たとえ分担制だとしても大変で、努力が必要な分野であることを綴ったら、未婚の人からも既婚の人からも共感の声をもらいました。結婚した女性、結婚していない女性らが互いに敵になる理由はないし、それぞれがそれぞれの方法で幸せであればそれでいいと思うんですよね

ハナさん:結婚する予定の方がお姉さんから、私たちの本を“同居する上でのバイブル”だと、一緒に暮らす上での教訓が詰まった本だと勧められた、という話も聞いたことがあります(笑)。