ゴミ(ウェイスト)をゼロにすると宣言して18年。いまやサステナブル先進町として知られる徳島県の上勝町で、何が起きているのでしょうか。モデルやDJとして幅広く活躍するエリーローズさんと現場を訪ねました。

エリーローズ
10代からファッションモデルとして『ViVi』などさまざまな雑誌で活躍。2008年からはDJも始め、国内外のイベントやフェスなどで幅広く活動する。2021年からスタートしたFRaUウェブでのライフスタイルコラムも人気。

-AD-

ゴミと資源を学べる町のシンボル

上勝町ゼロ・ウェイスト・センター

山間にあるとは思えないくらいの広い敷地に、分別ボックスや粗大ゴミが整然と並ぶ。

徳島阿波おどり空港から車で走ること1時間。クネクネ曲がる山道に突如、パッチワークのような窓枠をもつ、屋根も壁も紅色の建物が現れた。

施設の建物には上勝町産木材が使われている。

2003年に日本の自治体として初めてムダやゴミをなくす「ゼロ・ウェイスト宣言」をした上勝町のシンボル、〈上勝町ゼロ・ウェイストセンター〉だ。

ゴミは洗浄後に持ちこまれていて、まったく臭いがない。

人口およそ1500人の、限界集落とも呼ばれるこの町には、ゴミ収集車はこない。住民は町のゴミステーションにゴミを持参し、13品目45種類に分別して捨てるのが当たり前になっている。

ゼロ・ウェイストアクションホテル〈HOTEL WHY〉の部屋はテラスつき。朝の空気をめいっぱい吸い込む。DRESS ¥29700/株式会社オーク(WRINN)☎03-6712-7275

それをシンボリックに昇華させたのが、2020年に完成したこの施設。

使い捨てアメニティのない洗練された室内。窓からは美しい山々が。

敷地内のホテル(宿泊体験施設)に宿泊し、町民になった気分でゴミの分別体験をしたり、資源について学ぶセミナーに参加したりできる。

部屋には6つのゴミの分別容器。チェックアウト時、スタッフの指導に従ってさらに細かく分類しながらゴミステーションに捨てる。

「ビンの色ごとに捨てるカゴが違う。同じプラスチックでもペットボトル、お菓子の袋、トレーなど、細分化しているんですね。すごい!」

宿泊者が体験できる「ゴミ分別体験」。エリーローズさんも参加し、資源について学んだ。

エリーローズさんは興味津々だ。

〈上勝町ゼロ・ウェイストセンター〉内の「くるくるショップ」。上勝町の住民が持ち込んだ“不要なもの”が並べられており、誰でも無料で持ち帰れる。DRESS ¥128000/MYLAN house-of-mylan.com

「細かく分けることで有価物を明確にし、本当に不要なものだけをゴミ処理場に運んでいます。まだ使えるものは、センター内のリユースショップに置いているんですよ」と教えてくれたのは、同センターの環境責任者・大塚桃奈さん。

センター内を見学するエリーローズさん。

この取り組みが実を結び、町のゴミリサイクル率は80%を超えた。今後の目標は、「サーキュラーエコノミー」の実践。

宿泊者にはチェックイン時に、希望する分量の晩茶、コーヒー豆、石鹸がわたされる。ムダをなくすためだ。

「地域のなかで経済を回し、人口が少ない上勝ならではの無理のない暮らしの形を見つけたい」と代表の小林篤司さんは語る。

上勝町ゼロ・ウェイスト・センター
勝浦郡上勝町大字福原字下日浦7-2
☎080-2989-1533