BTSの兵役問題、行く行かないを決めるのは「国」

韓国の男は全員、満28歳までに兵役に行かねばなりません。兵役検査の対象になるのは満18歳以上。19歳になる年に「軍隊に行けるかどうか」「どこで義務を遂行するか」を決める兵役判定を受けます。検査には心理検査と身体検査があり、その結果に当人の成績や資格、経歴等を加味して等級が決まります。

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体に障がいや病気を抱えている人、外国籍の人、子どもが3人以上いる人、前科がある人などは兵役には行けず、免除になる場合があります。その場合は役所に勤務するなどして、国に奉仕する社会服務要員として働きます。ITのベンチャー企業を経営している人やアーティスト、プロゲーマー、スポーツで優れた成績をおさめた人など、特別な技能・技術・才能を持っている人も、社会服務要員になることが多いです。

ちなみに兵役を免除されたとしても、必ず約1カ月は軍隊で通常の基礎訓練をしなくてはなりません。社会服務要員として働くのはその後です。この基礎訓練は、なかなかハードで、射撃や手榴弾の扱い方などの特訓があります。中でも夜間行軍は、30キロ以上ある軍備を身に纏った状態で、40キロ以上も歩き続けるキツいメニューです。芸能人であろうが入隊すれば、この基礎訓練は誰もが受けることになります。

背中に重たいリュックに銃などもフル装備で荒れた道を歩きい続ける行軍の模様。夜中の移動は特に厳しい。photo/Getty Images

BTSについては、「これだけ国に貢献したのだから免除してもいいのでは?」という世論もあります。韓国の世論調査では行かなくてもいいが少し勝っている感じですが、あくまでも行くかどうかを決めるのは「国」です。「行け」と言われたら行かなくてはならないし、「行かなくていい」と言われたら希望しても行けません

「他のK-POPグループや俳優も行っているんだから行った方がいい」とか「本人たちの気持ちも大切にして」と考えるファンもいるようですが、残念ながら本人の希望で決まるものではなく、行く・行かないは「国」が過去の免除になった人たちのケースなどと合わせて、公平に決定を下すものです。BTSメンバーの発言を見ると、彼らはそういった本来の意味をきちんと理解しているようにみえます。

兵役免除か行くのかの決定が先送りになっているBTS。photo/Getty Images

また、もしもBTSは行かなくてもいいとなった場合、「韓国の男としての義務を果たしていないと国内で批判されるのでは?」と心配しているファンもいますが、それはまったくの杞憂です。実際に世界で活躍するピアニストやオリンピックのアスリートや囲碁の棋士など、韓国で英雄視されている有名人で兵役を免除された人は過去に1804名もいます。でも、誰も「兵役を免除された」と叩かれたりはしていません。なので、ご安心ください。

9月20日の国連総会参加で、BTSが果たす役割の大きさから、免除の可能性もあるのでは、という声も多いが、果たして……。photo/Getty Images

私が兵役に行ったのは2005年、19歳の時です。ほとんどの人は大学1年生、つまり2年生になる前に休学して軍隊に入ります。私の場合は18歳で大学に入学、19歳から21歳までが兵役。その後1年間、日本でワーキングホリデーを経験しているため、トータルで3年間休学したことになります。大学を卒業したのは26歳になる年でした。ちなみに高卒の場合は、何年か社会人として働いてから入隊します。

兵役の期間ですが、私の頃までは約2年間でした。厳密に言うと、1年10カ月くらいでしょうか。ただし2006年以降は数日ずつ減っていって、今は1年半まで減らす目標で動いています。昔は3年(36カ月)だったので、ずいぶん短くなりましたね。