# 環境

岸田総理への「化石賞」贈呈は大人げない…問われるNGOとマスコミの「存在意義」

無批判に受け入れていいものではない

不可解な受賞

新興国や途上国から温暖化ガスの排出削減を速やかに進める約束を取り付けて、気候変動を抑えられるのかーー。

197の加盟国・地域が集い、地球温暖化対策を話し合う第26回気候変動枠組み条約締約国会議(COP26)が英国のグラスゴーで先月31日、開幕した。

しかし、翌11月1、2の両日に行われた各国の首脳級会合に、世界最大の温暖化ガス排出大国である中国の習近平国家主席と同4位ロシアのプーチン大統領は現地に姿をみせずオンライン演説でお茶を濁したばかりか、揃って2060年に先送りしているカーボンニュートラルの達成時期の繰り上げにひと言も触れなかった。

現地に姿を現さなかったプーチン大統領
 

現地では今月12日の会期末に向けた成果文書の取りまとめ交渉が続いているが、中国とロシアが協力しなければ、最大のアジェンダだった温暖化ガスの排出削減加速は難しい状況だ。

筆者が違和感を覚えたのは、総選挙終了直後にグラスゴーに駆けつけて、新興国・途上国に排出削減の積み増しを促すための資金援助拡大を表明した岸田文雄総理の演説が環境NGOに評価されず、逆に温暖化対策に消極的な国や企業に贈られる「本日の化石」賞の2位を贈呈される結果になったことである。

その理不尽さを指摘せず、受賞は恥だと言わんばかりの日本の一部の新聞・テレビの報道ぶりも不可解だ。

まずは、COPの歴史を振り返り、節目の会合で決まった成果を説明しておく。26回を数えるCOPの最初の金字塔は、1997年に京都で開かれたCOP3で採択された「京都議定書」だ。公約に反すればペナルティを科す形で二酸化炭素(CO2)の排出削減を義務付けたことは画期的だった。議長国・日本の取りまとめ努力は、高く評価されるべき功績だ。

しかし、世界的な排出大国になりつつあった中国、インド、ロシアといった新興国が参加を拒んだうえに、先進7カ国(G7)で最大の排出国の米国も離脱。残った日欧など一部の先進国しか削減義務を負わないことになり、協定は骨抜きになった。

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