太田光の「TBS選挙特番での暴走」、なぜヒドいことになったのか? テレビディレクターの目から見えること

片岡 亮 プロフィール

正直、その発言自体はあまり驚くことはない。バラエティー番組ではお決まりの手法ではある。お笑い芸人がバラエティー番組でゲストをイジる際、相手の表情を崩すような話を投げかけるのはセオリーだ。それで怒りや笑いを誘い、場が盛り上がる。

今回、太田が出演した番組の名称は「選挙の日2021 太田光と問う!私たちのミライ」で、お笑い芸人の冠番組である。常識的な報道スタイルで進めるなら、そもそも太田を起用しない。はなから「バラエティー番組のノリ」が期待されたものであり、それがイヤなら他番組を見ればいいというのが、TBSの出した方向性だ。

だから、わざわざこの番組を選んで見て、「無礼だ」と怒るなら、なぜ別の番組を選ばないのか、とも思う。

 

情報を引き出せていたか?

ただ、太田を同番組のMCとして見て不足があったとすれば、結局「視聴者の見たいものが見られたのか」という点で物足りなさがあった点だろう。今回の起用は、もともと同局の報道番組「news23」の企画「太田光と問う!」の延長で、遠慮せず政治家に質問をぶつけていた太田が評価されてのもの。チーフプロデューサーの山崎直史氏も、番組発表時に「政治家と『言葉』を介して向き合える唯一の芸人」と太田を評し、「政治家に忖度なく問います」としていた。

つまり、普段から政治取材しているキャスターやジャーナリストでは、政治家に遠慮してしまうところがあるから、しがらみのないタレントに自由に質問をぶつけたい狙いがあったわけだ。ジャーナリストの目線から見ても、それをやられたら「太田さんだからこそできたもの」と脱帽できる。

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