2021.11.17
# メンタルヘルス

産業医が見た、コロナ禍の在宅勤務が「ストレスになった人・ならなかった人」の違い

ストレスの原因は人それぞれ
武神 健之 プロフィール

「コロナ禍」特有のストレスとは

Aさんは、勤続年数10年以上の40代のベテラン男性社員でした。通勤時間1時間ほどの場所に保育園に通う2児と奥様と暮らしていました。昨年コロナ禍で在宅勤務が始まるとすぐに、自宅での業務は効率が良くないこと、ほぼ毎日ずっと家の中にいるため気分転換が難しいことにストレスを感じるようになりました。

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特に自宅には仕事に集中できる場所がないことが一番の問題でした。唯一、パソコンを開くことができるダイニングテーブルは、食事以外にも子供たちが使っていたため、日中は自分の居場所がないことを痛感したそうです。リビングに座卓を置いて使ってみたものの、すぐに腰が痛くなり、仕事は捗りませんでした。

Aさんは在宅勤務に大きなストレスを感じていました。しかし、子供たちの保育園が再開すると、日中の自宅は静かな空間となり、通勤時間が取られないことや、同僚や上司に仕事を中断されずに集中しやすいことを大きなメリットとも感じ始めました。

さらに仕事効率を上げるため、自宅のパソコンにスクリーンを追加。仕事の後にはなるべく散歩に出かけ気分転換に努めるようにしました。以前はストレスだった在宅勤務に、自分なりの対処をしたことで、現在はこのまま在宅勤務を続けられると嬉しいと考えています。

 

一方、同じ会社のBさんは勤続年数20年ほどの50代のベテラン女性社員でした。彼女は通勤時間1時間ほどの場所に、高齢の母親と二人暮らしています。昨年コロナ禍で在宅勤務が始まると、通勤時間が取られないことや、通勤がないことで自分から母親への感染リスクが少ないこと、集中しやすいこと等の理由から、在宅勤務をとても気に入っていました。

しかし、半年ほどたつと、日中からテレビにかじりつきワイドショーを見ている母親が、不確かと思われるコロナの情報を信じ、話しかけてくることに疲れてしまいました。また、Bさんが日中も家にいて家事をやってくれることに慣れてしまった母親が、家事のために動くことが減ったと感じるようになり、出社勤務を待ち望むようになりました。

そこでBさんは何か理由をつけて出社許可を得たり、部内で率先して出社組となったりすることで、週に数回は出社して仕事する日を気分転換の日としてすごしています。

最近Bさんは、コロナ感染者数が減って出社が始まることを楽しみにしています。

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