「寄り合い所帯」だった野党連合が、国民から選ばれなかった「決定的な理由」

岸田政権は「敵失」で勝ったようなもの

勝利したが“ブレブレ”な岸田政権

衆院選は大方の事前予想に反して、与党の完全勝利に終わった。自民党単独で安定した国会運営に必要な「絶対安定多数」を維持したのだから、圧勝と言っていいほどだ。野党連合はなぜ負けたのか。私は「共産党に対するアレルギー」が最大の原因とみる。

選挙結果が明らかになった後、ある知人は私にこんなメールを送ってきた。「やはり国民は理解しているんですね。岸田には、幹事長を落としてお灸を据えた。『分配じゃないだろ』と維新に入れ、辻元清美とか立憲、共産にはバイバイと」。まさに、この通りだ。

甘利明幹事長が小選挙区で落選したのは、政治とカネ問題と、説明責任が十分に尽くされたとは言えない、その後の対応が原因だ。だが、彼を幹事長に任命したのは岸田首相である。「政権への失望感」が甘利氏に対する厳しい判断の遠因になった、と言えなくもない。

投開票日夜、党本部にて、当確者の名前に花飾りを付ける自民党幹部たち[Photo by gettyimages]
 

岸田政権は、肝心の経済政策でブレにブレた。総裁選で言及した金融所得課税案が批判を浴びたと見るや、衆院選では、さっさと引っ込めた。成長と分配問題も、総裁選では「分配重視」だったのに、衆院選になると「成長重視」に軸足を変えた。

総裁選でぶち上げた「所得倍増」計画は、衆院選の公約で姿を消したかと思えば、11月1日に開かれた選挙後の首相会見では、再び「新しい資本主義で令和版所得倍増を目指す」と語った(https://www.youtube.com/watch?v=R7tMzfHvvmQ)。

 

そもそも、所得倍増と言っても、中身が具体的に固まっているわけではない。キャッチフレーズにすぎないのに、それをこれほどコロコロと変える首相は、ちょっと記憶がない。看板を掲げたり、降ろしたりすること自体が中身のなさを物語っている。

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