阪神大震災で実感した「生きる」こと

――物語が始まる1995年当時、森山さんはまだ小学校高学年。この時代の空気は覚えていましたか?

森山:森(義仁)監督は僕より2つ年上で、プロデューサーはそれより少し上なのですが、3人とも佐藤と世代がぴったりあてはまるわけではなく、また西の出身だったので、3人とも当時は東京の方で起こっていることを遠くから眺めているという感じでした。

なので、この作品の制作は、その遠くから見たカルチャーで街が盛り上がっている「東京」をどのように描くか、ということから考え始めたような気がしています。

やはり神戸出身の僕にとって1995年の大事件と言えば、阪神大震災です。僕自身は近しい親族が亡くなるようなことはありませんでした。ただ、今振り返ると、あの震災も自分の人生のターニングポイントになったと感じています。

写真:山本倫子
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世代を超えて対話したい

――『モテキ』(‘11)ではリリー・フランキーさん演じるWebメディアの編集長役の先輩に励まされていた森山さんが、本作の2020年のシーンでは後輩を励ましていたのが印象的でした。

森山:年齢的にも、作品では後輩の役をやることが少なくなってきたとは感じています。ただ、だからといって、素の自分が役者として先輩でいたいとは思わないです。

今は自分より下の世代のアーティストと一緒に仕事をしたいという感覚があります。僕も「今」という時代を生きているけれども、自分が捉えている「今」と、例えばかおり役を演じた沙莉さんのように、小学生の頃からSNSがあった世代が捉える「今」は大きく違うと思います。

もちろん、ジェネレーションギャップはあると思うのですが、そういう自分とは違う視点を持ったアーティストと関わって物を作っていきたいですし、そこは先輩後輩という関係を越えて、対話していきたいという気持ちがありますね。