2021.11.04

弁護士界の「対立」は法廷へ…“IT革命児”と呼ばれた弁護士が「業務停止3月」裁決に大反論

日弁連の裁決は「業務停止3月」

日本弁護士連合会(日弁連)は、10月19日、東京弁護士会から「業務停止6月」という処分を受け、それを不服として処分取り消しを求めて日弁連に審査請求していた弁護士法人ベリーベスト法律事務所の代表である酒井将(44)、浅野健太郎(45)両弁護士に対し、「業務停止3月」と処分を減じる裁決を下した。

この審査請求は、弁護士界という閉じられた世界の争いながら、弁護士と司法書士など他士業連携の是非、司法制度改革によって弁護士多産時代となったことによる新旧対立など、様々な問題を含んでおり、マスメディアの注目を集めていた。

 

筆者は、8月10日、弁護士会館(東京・霞が関)で開かれた公開の審査委員会を傍聴した。冒頭、酒井弁護士は「本日、汚名をそそぐべく、人生を賭ける覚悟でやってまいりました」と、声を震わせて宣言した。

酒井氏は、日本最大級のポータルサイト「弁護士ドットコム」の共同創業者。また、立ち上げたベリーベスト法律事務所では、借金問題や離婚、交通事故、刑事弁護などの個人法務の分野でウェブ広告を駆使、顧客を集めて急成長したことで知られる。

酒井将 弁護士/筆者撮影

設立10年で全国52カ所に事務所を出し、280名の弁護士を抱えるに至った。その弁護士界のIT革命児にかけられた「汚名」とは何なのか。

ひとことで言えば、弁護士法に違反する非弁提携(弁護士ではないものと提携してはならない)を行なったというもの。具体的には、司法書士法人から140万円を超える過払い金返還事件(司法書士が受任できるのは140万円まで)を引き継いだ際、1件あたり約20万円を支払った行為が対価(報酬)と見なされ、非弁提携にあたるというのである。

<サラ金の借金がある人は、いますぐお電話を>

<払い過ぎた利息の『過払い金』が戻ってきます>

こんなCMをテレビやラジオで聞いたことは多いだろう。提携した司法書士法人はそうしたCMを駆使、過払い金返還訴訟を受任してきたことで知られており、そことの非弁提携で処分され、審査請求した。

日弁連は審査の結果、東弁の見解を踏襲、<(裁判資料作成などの)業務成果物の対価という趣旨であったとしても、それは同時に依頼者紹介の対価としての意味を包含する>として裁決した。

ただ、一、依頼者の利便性に寄与、二、事件屋などが介入する非弁活動とは異なる、などを理由に、「業務停止3月」と処分を軽減した。

 
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