2021.11.03
# 週刊現代

妻の死後「残された76歳の夫」が大後悔した、口座の「名義変更」での意外な落とし穴

すべての戸籍謄本が必要

「役所から送られてきた戸籍謄本を見て驚きました。ミミズがのた打ち回ったような崩し字で書かれており、ほとんど判読できなかったのです」

こう語るのは神奈川県在住の宮田信之さん(76歳・仮名)だ。3年前に妻を亡くしたが、最も大変だったのが「出生から死亡まですべての戸籍謄本」を集めることだったという。

「妻の銀行口座の名義変更をするだけでも、この戸籍謄本の束を要求されます。ところが、私は結婚前の妻の本籍地をすべて知っているわけではありませんでした。妻が元気なうちに聞き出しておけばよかった」

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宮田さんは結婚前に妻が暮らしていた山梨県甲府市の役所から、郵送で戸籍謄本を取り寄せた。

さらに1週間後に届いた書類を元に、それ以前に妻の本籍があった兵庫県神戸市に戸籍謄本を請求した。そして届いたのが、冒頭の古い戸籍だった。

「'94年に現在の戸籍謄本の様式になる前は、改製原戸籍と呼ばれる縦書きの旧バージョンの戸籍謄本が使われていました。相続手続きでは、こうした古い戸籍謄本も含めたすべての戸籍謄本が必要になります」(行政書士の稲吉務氏)

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改製原戸籍の中には、役所の判断で破棄されてしまっているものもある。その場合、代わりに廃棄済証明書を発行してもらう手間が生じる。

「改製原戸籍は内容が変わらない『古文書』のようなもので、有効期限という概念がありません。夫婦それぞれが、自分の古い戸籍謄本を集めておけば、残されたほうは手続きがとても楽になります」(稲吉氏)

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