2021.11.16
# 数式

【数学間違い探し】マンホールの蓋はなぜ円い? その理由にまつわる大きな誤解

考える力が身につく数学間違い探し

本年1月から開始した月1回の「数学間違い探し」の連載は幅広い読者から読まれているようで、心から感謝の意を表す。

第1回第2回でも連載の背景や狙いを詳しく述べているが、筆者の長年に渡る教育経験から悟ったことの一つに、算数・数学にある「間違い」を見付けるためには、暗記だけの学びはあまり役に立たない一方で、理解の学びが役に立つということがある。この「算数・数学の間違い探し」を通して背景にある「理解の学び」の重要性を少しでも学んでいただければ、筆者として嬉しく思う次第である。

毎回、初級、中級、上級の3題の「間違い探し」問題を順に出題するが、算数・数学として難しい問題を出題するものではなく、あくまでも間違い易い問題を出題する。

なお、次回は最終回ということもあって、社会や数学における間違いの中で、間違いを見付けたときグッときた思い出深い3つを紹介する予定である。

初級問題

【問1】かつて有名なIT企業の入社試験で、「マンホールの蓋はなぜ円いのか」という問題が出題されたそうである。マンホールを置く円形の穴の直径をa cm、マンホールの蓋の直径をb cmとすると、bはaより大きくなっている。だからこそ、マンホールの蓋は円形の穴から下には落ちない。それは、マンホールの蓋をどのように動かして円形の穴を通過させようとしても、マンホールの蓋の直径が通過しなくてはならない瞬間が必ずあるからである。

上の話を聞いたA君は次のように考えた:

「マンホールの穴の形が上に置く蓋と相似で、少しでも蓋より小さくなっていれば、蓋は穴から落ちない」という性質をもつ図形は、円以外にはないだろう。実際、正方形の穴と蓋がある場合、蓋の一辺が穴の一辺の√2倍未満ならば、図のように蓋は穴から落ちてしまう。

マンホールの蓋が円形の場合(左)、正方形の場合(右)

A君の考えが正しければ「正しい」と答え、間違っていれば反例を示しなさい。   

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