管理規約を破った住民のせいで、高級マンションが大混乱に陥ったワケ

祖堅 千鶴子 プロフィール

とにかく現状の把握をしないと何も言えないということで、A氏に現場の確認させてほしいと申し出たところ、許可を得ました。

組合側で建築士を依頼し、A氏の建築士も立会いの下で理事さんたちが視察をしました。

視察した理事さんたちは、あまりにしっかりした造りで驚いたり呆れたりしたようです。それでもA氏の建築士は、これは建築物ではないと主張していたと聞きました。

その後、市の建築局に再び相談し、建築物であるとの判断を受けました。建築基準法第2条では、建築物の定義として、土地に定着する工作物のうち、屋根及び柱もしくは壁を有するものとされています。

この回答に、やっと理事さんたちは撤去を請求するしかないと思うようになりました。

 

マンションは「共同住宅」である

ルーフバルコニーに、勝手に自分の建築物を増築するということは、共用部分を専有部分にしてしまうことにもなります。

これは民法第251条の共有物の変更の規定に従うことになります。民法251条では、「各共有者は、他の共有者の同意を得なければ、共有物に変更を加えることができない」と規定されています。

マンションは共同住宅で、それぞれが専有部分に応じた敷地及び共用部分の持分が決められています。しかし、勝手に共用部分を専有部分にしてしまうと、区分所有者全員の敷地および共用部分の持分が変わってしまいます。そのようなことで、区分所有者全員の承諾を得なければ専有部分として増築することはできません。また、増築するとしても建築局への申請も必要になります。

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