2021.11.01
# 天体観測

11月1日 当時世界最大の電波望遠鏡、アレシボ天文台開設

サイエンス365days

"サイエンス365days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介するコーナーです。

1963年のこの日(11月1日)、米国自治領・プエルトリコのアレシボに当時世界最大となる電波望遠鏡が開設されました。

カルスト地形のくぼみを利用して設置されたその電波望遠鏡は、直径305m、中央の高さ105mの地点には送受信を担うプラットフォームがケーブルで吊るされていました。

このアレシボ天文台は米国の天体研究における重要な役割を果たしており、1968年の蟹星雲でのパルサーの発見や、1992年の世界初となる太陽系外惑星の発見など、天文学史に残る多くの発見がここでなされてきました。

アレシボ天文台 photo by GettyImages

また、アレシボ天文台ではSETI(地球外知的生命体探査、Search for Extraterrestrial Intelligence)計画の一環として、天文学者カール・セーガンが1974年にヘラクレス座の球状星団・M13に向けていわゆる「アレシボメッセージ 」と称される電波メッセージを送信しています。

これは地球外に住む知的生命体へ向けた通信メッセージで、解読にはある程度の知識が必要であり、もしこのメッセージに返信があれば地球外に知的生命体が存在している可能性が高くなります。残念ながら2021年現在、地球外生命体からの返信はありません。

このように多くの活動実績を誇ってきたアレシボ天文台ですが、2000年代になってからは天災や老朽化の影響で施設が壊れ始め、米国国立科学財団が取り壊しを明言する中で支えとなるケーブルが破損して大きく崩壊しました。

このようなこともあって、現在アレシボ天文台は望遠鏡としての役割は果たしていませんが、天文台自体や周囲の研究施設はそのまま運営が続けられました。

また、現在は中国・貴州省にある「FAST(five-hundred-meter aperture spherical radio telescope)」と呼ばれる球面電波望遠鏡が直径500メートルと世界最大です。

中国の巨大球面電波望遠鏡FAST(five-hundred-meter aperture spherical radio telescope) photo by GettyImages

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