旧姓使用の限界をきちんと知ってほしい

衆院選前、自民党の有志議員でつくる「選択的夫婦別氏制度を早期に実現する議員連盟」​​の幹部議員たちは、選択的夫婦別姓実現を衆院選の公約に入れるべきだと考えてくれていました。

当事者から「旧姓使用の限界とトラブル事例」をヒアリングする勉強会も企画されましたが、直前になってこの勉強会は中止になりました。差出人不明の文書が連日議員会館で配布されるなど、中止に至る経緯は「選択的夫婦別姓・全国陳情アクション」の記事にまとめています。片山さつき議員は、「勉強会を察知した安倍元首相が開催への異論を唱えられた」と語りました。

「旧姓を拡大すべき」と訴える反対派議員が、旧姓使用者の証言を聞くことを拒絶するのはなぜでしょうか。反対派の議員が選択的夫婦別姓に反対し、「女性活躍」の名目で旧姓使用推進している。これは、「男性には難なく認められている『フルスペックで氏名を保持する権利』は女性にあるべきでない」という意味になります。

反対議員の主張は法的根拠もない「ファミリー・ネーム」と称して「イエ」観念で全国民を縛ろうというものです。家父長制の助長は、2021年の今、立法に携わる議員としてもふさわしいのでしょうか。

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未婚女性の8割以上が訴える選択的夫婦別姓制度

私は投票率を75%に上げるプロジェクトに参加しています。衆院選を前に「何を争点にしてほしいか」を聞いたアンケートでは実に44,629名​​もの方が回答、そのうち多くを未婚の女性が占めました。「選択的夫婦別姓を導入してほしい」に「とてもそう思う」「そう思う」を足すと実に83%にものぼりました。

投票率75%プロジェクト「みんなの争点10+

既婚者の中には、私にように一定の結論を出して改姓をした(せざるを得なかった)人たちも含まれます。しかし未婚の人たちに絞ると、より切実に制度の導入を希望していることがわかります。

投票率75%プロジェクト「みんなの争点10+」ローデータより抽出

「自分の氏名で幸せに家庭を築き、安心して生活や仕事ができる選択肢を認めてほしい」。ただこれだけの主張を、立法府の一部議員だけでこれまで40年、封じてきた構図をこれ以上許してはならないと思います。

「ダムに沈んだ故郷」次世代に引き継がせたくない

私は2度望まない改姓をし、完全に自己同一性を失っています。もうどの名字も自分とは思えません。便宜上、一番長く名乗った初婚時の姓を通称使用していますが、法改正されても、再び大量の名義変更をこなす気になれそうにありません。名乗り続けたかった生来の氏名は、ダムの底に沈んだ故郷のように感じます。
衆院選は自分たちで法律をつくる代表者を選ぶチャンスです。すでに選択的夫婦別姓に「賛成」は全候補者の64.1%で、東京など地域によっては7割を超えています。あとは「賛成」と答えた人だけを国会に送れば法改正されます。候補者の賛否は選択的夫婦別姓・全国陳情アクションHPにまとめました。

10月31日、選ばれた議員たちは、全政党、議員で力を合わせ、40年来積み残されてきたこの人権問題を解決してほしいと心から願っています。

2021年10月17日の衆院選前「目指せ!投票率75%」プロジェクト発足

目指せ!投票率75%」プロジェクトでは選挙に向けて様々な情報を発信中。衆院選の争点に関してアンケートをとった結果、多くの人が注目する「争点」を発表しています。1位は「ハラスメントの禁止」。8位に「選択的夫婦別姓」が入っています。詳しくは公式HPでご確認ください。

〈実行委員メンバー〉
渡辺由美子 NPO法人キッズドア代表
藤沢烈 一般社団法人RCF代表理事)
林 大介    模擬選挙推進ネットワーク代表・事務局長
井田 奈穂 選択的夫婦別姓・全国陳情アクション事務局長
松中 権     ゲイ・アクティビスト
室橋 祐貴 日本若者協議会代表理事
細谷 柊太 NPO法人ドットジェイピー
尾上 瑠菜 NPO法人ドットジェイピー

〈アドバイザー〉
荻上 チキ    一般社団法人社会調査支援機構チキラボ代表
佐藤 大吾    NPO法人ドットジェイピー 理事長
三浦 まり    パリテ・アカデミー共同代表、上智大学法学部教授、政治学者
宮本 聖二 立教大学大学院/Yahoo!ニュース プロデューサー