『きのう何食べた?』よしながふみが語る、料理を通して描いた「親との向き合い方」

劇場版公開記念!特別インタビュー

『モーニング』で連載中のよしながふみさんの漫画『きのう何食べた?』。2019年に放送されたドラマは、シロさん(演:西島秀俊さん)とケンジ(演:内野聖陽さん)の「原作再現度の高さ」もあって大好評を博した。

そして11月3日から、劇場版『きのう何食べた?』が全国で上映される。公開を機に劇場版の見どころについて、作者のよしながさんに伺った。

よしながふみさん
よしながふみ
東京都生まれ。代表作に『西洋骨董洋菓子店』『大奥』など。第26回(平成14年度)講談社漫画賞少女部門、第5回(2005年度)センス・オブ・ジェンダー賞特別賞、第10回(平成18年度)文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞を受賞。
 

『何食べ』は基本的に「料理漫画」

――まずは改めまして、完成した映画の感想を教えてください。

よしながふみさん(以下、よしなが):シロさんとケンジの2人が、すごく可愛かったです。テーマとしては「素敵なことばっかり」ってこともなくて、ちょっと切ないシーンもあるんですけど、より家族になった2人が観られる映画でした。

――特に切ないと感じたのはどの場面でしたか?

よしなが:やっぱりお正月を一緒に過ごす場面ですね。ドラマの最後でようやく、シロさんはお正月にケンジを実家に連れて行きますが、劇場版では2人だけでお正月を迎えることになります。家族に受け入れられて、親も一緒に「みんなで楽しいお正月」という話ではないんですね。やっぱり2人は可愛いんですけど、ちょっと切ない感じです。

かといって、ケンジとシロさんの2人だけで他は何もかも捨ててしまうというわけでもなく、お互いに親も友人もいて、その中でどうやって自分の大切な人たちを自分なりに大切にして生きていこうか考えています。

「まるっとハッピーエンド」っていう訳でもなく、かといって「すごく悲劇的」でもなく、でも振り返ってみると、自分たちの人生もきっとそうですよね。たから観た方は皆さん、どこか共感できるところがあるんじゃないでしょうか。

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