習近平の「思い上がり」が見えた、共産党「指示文書」のヤバすぎる内容

独裁の合法化が止まらない

恒大集団「経営危機」のありえない展開

中国の不動産開発大手、恒大集団の経営危機が続いている。33兆円もの巨額債務を抱え、ドル建て債務の返済が苦しくなるなか、中国当局は同社の創業者に対して「個人資産による債務返済を指示した」という。中国という国の本質が、よく示されている。

ブルームバーグは10月26日、恒大集団の創業者である許家印(Hui Ka Yan)氏に対して、個人資産を債務返済に充てるよう指示した、と報じた(https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2021-10-26/R1KX93T0AFB701)。

経営危機が報じられている恒大集団[Photo by gettyimages]
 

記事によれば、許氏の資産は78億ドル(約8892億円)という。中国の富豪ランキングでは、かつてトップに君臨していたが「数字にはかなりの不確実性があり、流動性があるかどうかは定かではない」という。実際にどれほど差し出されるかも、分からない。

いかにも、中国らしい展開である。普通の国で企業が倒産すれば、法律の手続きに従って、個人資産の扱いが決められる(日本では破産法、米国では連邦破産法)。中国にも企業破産法はある。そうであれば、中国も法律に従うのが、通常の手続きであるはずだ。

ところが、中国当局は早い段階から許氏の個人資産に目を付けていて、まだ倒産していないというのに、個人資産を差し出すように指示した、という話になる。いかにも乱暴だが、これが、まさしく「習近平流」なのだ。

そもそも「中国の法治」とは、どういうものなのか。

実は、今回の危機が表面化する直前、中国共産党中央委員会と国務院は8月11日、連名で「法の支配に基づく政府建設の実施概要」という指示文書を発出していた(http://www.xinhuanet.com/2021-08/11/c_1127752490.htm)。恒大狙い撃ちではなく、2025年までに法の支配を強化する目的で出された文書だ。

タイトルを見れば、いかにも法に基づく民主的な政府と国家の建設を目指しているように見える。だが、内実は逆だ。これまでもそうだったが、中国共産党の胸先三寸で物事が動く仕組みを法的にも、一段と強化するのが狙いである。そこで、内容を紹介しよう。

2021年、中国共産党は建党100周年を迎えた[Photo by gettyimages]
 
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