ロンドンに住むイラストレーター クラーク志織さんの連載「イギリスのSDGs事情ってどうなのさ?」。イギリスの人たちがSDGsの理念を日々の暮らしにどう取り入れているのかを、パンチの効いた軽妙なタッチのイラストつきでレポート! 笑いと学びのつまったコミックエッセイです。

今回取り上げるのは、ロンドンで暮らす人々の“生き方”について。ロンドンに住んでもうすぐ10年を迎えるクラーク志織さんが体験した印象深いエピソードとともにご紹介します。

「日本人は働きすぎ」説をひしひしと実感

移住したばかりの頃、まず驚いたのは、労働に対しての感覚でした。

「仕事がありえないほど忙しくて本当にやばい。毎晩夜の9時まで働いている」

ある日、友人のひとりが深刻そうな顔で言いました。それを聞いた周りが「ぇぇええええ!」と驚愕しているのを見て、「え!? そんなに驚くこと?」と、そっちに驚いたことを覚えています。

それからしばらく経ち、日本での長時間労働が引き起こす過労死を“KAROUSHI”という言葉でイギリスでも報道されているのを知るにつれ、だんだんと「日本人がすごく働きすぎなのかもしれない」と考えるようになってきたのです。

また、お店のスタッフとお客さんの関係性も上下関係がなく、スーパーのスタッフ同士が楽しそうに雑談しているところにお客さんが混ざったり、カフェで素敵な音楽がかかるとスタッフが踊りだしたりと、接客中でも1人ひとりの人間性を感じる事が多いです。

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しいてマイナス面があるとしたら、日本よりも物事がスムーズに進まないケースが多いこと。例えばビルダーさん(大工さん)に家を修理してもらった時。どんなに作業が遅れていても定時できっちり帰るし、予告なしに姿を現さない日もある。先日、天井の水漏れの修理をお願いしたところ、修理がかなり遅れ、白かった天井が茶色くなってしまいました。(これも修理しないとな......)

ロンドンの人々はリラックスをするのが上手。街の至るところに大きな公園があるからか、天気の良い日はワインと本を抱えて芝生にゴロンとする人々が多発します。公園でリラックスするのは日常的な行為になっていて、友人とはちょっとした集まりでもピクニックをすることが多いように感じます。

余談ですが、ピクニックをする時、私はつい真面目に座ってしまいますが、イギリス人の友人は開始1秒でゴロリとシートに寝っ転がる率が高い。「ものすごい即座にリラックスするじゃん」といつも心で羨んだり。(なかなかその技は身につかない!)

あと、みんなめちゃくちゃホリデーLOVEなんです。夏は1〜2週間ほどヨーロッパ諸国の海辺に滞在したり、キャンピングカーを借りてキャンプに出かけたり。今年の春、まだコロナウイルスの規制が緩和されるかどうかの議論がなされていた段階なのに、すでに「夏のホリデーはどうなる!それまでに規制は緩まるのか!」みたいな真剣な議論する人々をたくさん見かけました。「イチかバチかで航空券買っといた」と言う友人もいたり。みんななかなか気合いが入っていました。

我が家はホリデーの予定を計画するのが苦手で、いつも最後のほうにドタバタで決めて、結局イギリス国内の海辺に1泊する、とかで終わります。それはそれで楽しいのですが、人に会うたびに「ホリデーどうするの?」と聞かれまくり、「近場に1泊だけって言いづらくて嫌だな」と思ったりして、逆に若干ストレスだったりもしました(笑)。