「名前が表に出る人」へのハラスメント

仮にもし自分自身が立候補する立場だったらと考えると、高いハードルが思い浮かびました。育児や介護などの家庭生活との両立の難しさや、プライバシーがないこと、供託金の負担、自信不足など……。政治家を志すには今の点はすべて指摘されうることですが、特に家庭生活を女性が担うものだという意識が根強い日本では、「女性が立候補する壁」として指摘されています。ただ、なかでもまず私が思ったのが「ハラスメントを受けるのが怖い」ということでした。そう思った背景に、私は2011年からWebメディアを運営していたことがあります。名前を出して運営していたので、私個人宛にも読みたくないようなメッセージをもらう、リアルでのイベント開催ではストーカー被害を受けるといった経験をしました。

名前を出すとそこに攻撃してくる人がいる。誹謗中傷は男女の差なくあることだが、女性特有の攻撃のされかたは多い Photo by iStock
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議員になったら知名度が高くなるため、もっと大変な経験をするだろうということは容易に想像がつきます。また、実際TwitterをはじめとするSNSを使う中で、声をあげる女性の議員が特に誹謗中傷にあう様子を頻繁に目にしていたこともあり、議員という立場でインターネット上での発言することの恐怖を感じていました。そういった思いから、立候補する女性や議員として活動し続ける女性を増やすためにもハラスメントを受けない環境づくりが必要だと考え、解決を目指すためにも先行研究がないかを探しました。しかし、日本における女性議員のハラスメント研究、特にオンライン・ハラスメントを扱うものはほとんどない状況だったのです。

そもそも日本では女性議員の数が少ないこともあまり問題視されてこず、2000年代に入ってからようやく少しずつ女性議員を研究対象とする研究が出てきたと言われています。女性議員が少ない中、彼女たちを取り巻くハラスメントを含む労働環境について扱う研究はほとんどありませんでした。そこで、研究テーマとして扱われてこなかったのであれば、自分が取り組もうと思ったのです。