2021.11.03
# エンタメ

“あの異例の宣言文”から7年…ついに交替した「少年サンデー」新編集長は何者か?

飯田 一史 プロフィール

対外的な発信とイベントを強化

――コロコロは「マンガ」「グラフ(記事ページ)」「イベント」を連動させる三位一体モデルによって、読者がミニ四駆やデュエマの大会に参加して作品世界をリアルで体験できるという独自の強烈な提供価値を持っていますよね。「コロコロ」出身の大嶋さんによって「サンデー」にその考えが導入される可能性は?

大嶋 作品の充実と並行してですが、編集部からの発信や、読者の方と編集部の距離が近づくイベントを充実させたい気持ちはあります。

サンデーは個別作品の宣伝以外の、ブランドとしての対外的な広報戦略も、もっとがんばれるかな、と思っていまして……市原が編集長に就任したときに出した宣言文や、編集部の体制変革の打ち出しは、様々なご意見を頂きましたが、直近でいうと一番「サンデー」に期待しているよ、「サンデー」がんばってね! という世間からのリアクションも頂けたんです。

――発信に力を入れていく?

大嶋 そうですね、「最近サンデー元気だな」と見え方が変わるように、ブランドを好いてもらえるようにしていきたいと思っています。

――イベントに関しては。

大嶋 市原時代に「サンデーサポーターズクラブ」の会員向けに「サンデー文化祭」というイベントを年1回ペースでやっていましたが、今後も状況を見ながら、読者さんと触れあえるイベントはやっていきたいですね。

「コロコロ」では長年イベント担当として全国各地に赴きましたが、イベントのあとは編集者が作る「コロコロ」の誌面が確実におもしろくなっていたという実感があります。読者さんの顔を見て、各種施策に対して「ああ、ここがウケてたな」とわかるからです。

2010年夏に、「コロツアー」という全国を回るイベントで、ショッピングモールで僕自身が子供の前でイベントの司会をしていたんですが、ある時、「『イナズマイレブン3』の最新PVはこれだ!」と言って壇上でビデオを流したら、『イナイレ』の主題歌を目の前にいる200人くらいの子どもたちが一斉に歌い出したことがあったんです。

『イナイレ』は歌がすごく良いなぁ! と僕自身も思っていて、誌面でも、良さが伝われ! と色々模索していたんですが、実際に、お願いしたわけでもないのに突然イベント会場で子供が合唱した時に、感動して涙が出そうになりました。こういう体験をサンデーの編集者にもマンガ家さんにも、読者の方にも味わってもらえたら良いな、と考えています。

あとは、これは内輪のイベントですが、「サンデー感謝祭」という作家さんを集めてのパーティーをコロナ禍以前までは毎年やっていました。なくなって思うのですが、ひとつの場に集まることが、作家さんにとっても編集部員にとっても与え合う効果は大きかったんだなと。「サンデー」でのデビューを志す新人作家さんにとっても、あこがれの作家さんと同じ会場に立つことはとても意味があると思います。感染状況を見ながら、またやりたいですね。

 

――最後にひとこと、意気込みをお願いします。

大嶋 僕らが何のために毎週マンガ雑誌を作っているかと言えば、読んでいるあいだ「楽しい!」と思ってもらい、「次が楽しみだ!」と思ってもらうことだなと。「来週が待ち遠しい」と思ってもらえる雑誌にしていこうと思っています。

市原のような派手さはなく、歴代の編集長の中でもっとも威厳がないと言われますが(笑)、フットワーク軽くものすごくがんばりますので、これからの「サンデー」にもご注目よろしくお願いします!

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