マイノリティ10代が見る「選挙」のモヤモヤ

今週末に投開票が行われる衆院選への関心も高い。

野党共闘っていうけど、全然違う公約の党が相談して候補者を絞って、自民党候補に勝つ、っていうプランはわかる。でも、当選したら公約ってどうなるんだろう? とりあえずは『(NHKじゃなくて)LDP をぶっこわーす』って感じ? でも、もし政権取ったら揉めまくって今以上になんにも進まない気がするけど」と、野党の統一候補戦略のその後か気になるというCさん(高1・男子)。
ちなみに『LDP』 は自民党( Liberal Democratic Party)の英語の略称。

今どきの高校生って、選挙や政治の話をけっこうするんだなあと驚いた。

「子どもは政治に無関心」なわけではない。時間をかけて話すと彼らなりにきちんと考えているのだ。pboto/Getty Images

私が高校生の頃、政治や選挙なんてまるで別世界の出来事だった。選挙シーズンになると、学校や家の近くを大音量の選挙カー走って『っるさいな~』と思った記憶くらいしかない。でも今は、高3生(18歳)が選挙権を持つようになり学校でも選挙についての出前授業などがあるらしい。また、コロナ禍に大人や政治家の行動をじっと見つめて、世の中の色々なことに不信感や理不尽な思いを抱いた世代だからこそ、選挙にも関心を寄せるのだろうか。

18歳になって選挙権を持っても、結局のところ、私たちのための政策って優先事項じゃないんですよね!? 票をたくさん集めて、支持率をあげるには、世代的にたくさんいる高齢者向けの政策に力を入れるのが正解で、少数派の私達の優先度はぐっと下がっちゃう。なんか高3の先輩は、『選挙行ってくる~』ってもり上がってるけど、もともと少数派なんだから、投票しても意味、なくない?」(Dさん・高1・女子)

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せっかく選挙や政治に興味を抱き始めた子どもたちも、自分の世代が『マイノリティ』だと知った途端、テンションは下がってしまうらしい。なんだか残念に思っていたら、若者に呼びかける新たな動きが始まった。

特定の党派や政治広報とは全く無関係という、橋本環奈や菅田将暉、コムアイーーなど若者に著名な若手俳優・ミュージシャンらによる「VOICE PROJECT 投票はあなたの声」や、テレビの報道番組や映画、ドキュメンタリー制作をしている有志が始めたプロジェクトであるChoose Life Projectの「参院選2021『選挙に行こう! プロジェクト』」などの一連の動画が、若者がテレビ以上に視聴するYouTubeに続々UPされ始めたのだ。

【VOICE PROJECT 投票はあなたの声】

YouTube

YouTubeの常連の息子もすぐに気がついて「コレ見た?」と教えてくれた。私はその動画の存在をネットニュース経由で知っていたが、改めて息子と見てみた。

「VOICE PROJECTは、よくドラマに出てる人や知ってるミュージシャンがたくさん参加してるんだね。その人たちが『今まで全然、関心がなかった』とか俺達と同じ感覚で正直に話してて、なんかいいなあと思った。上から、じゃないんだよね。投票率が、約5割、若者世代はもっともっと低いって知って『やっぱりな。マイノリティだし』って思ったけど『まず、私達が意志を示さないと』とか『(投票に行かないと)その世代が(政治で)軽んじられるってことだから、政治をウォッチしているよってことをアピールする』とか話してるのを見て、やっぱ自分も選挙権持ったら投票しなきゃって思った。

クラスの女子は、VOICE PROJECTで女優さんが『昔は女性に参政権がなかったのに、すごく苦労して勝ち取った。その権利を放棄して、

言えるのに言わないのはもったいないし、がんばった先輩に申し訳ない』ってフレーズが刺さったって言ってたよ。案件(誰かに頼まれて有償で行う活動)じゃなく、こういう活動できる人たちって、カッコいいな」(息子)

最も息子が印象に残った動画は、Choose Life Projectの岩井岩井俊二監督の動画だという。
「ここまでひどい先生にはあたったことがないし、クラス内の選挙で同じ経験をしたことはないけど、自由に選挙する権利を失っちゃうと、ものすごくおそろしい世の中になっちゃうんだなーって感じた。面倒だから、どうせ変わんないからって選挙する権利を捨てちゃうのは、自分の自由も捨てることになるんだって」(息子)

YouTube

現状にたくさんの不満や不自由、困りごとを抱えながらも「自分が一票を投じたところで、どうせなにも変わらない」と思うのは、マイノリティ世代だけでなく大人も同じだ。息子と一緒に動画を見たり、この秋の選挙にまつわる子どもたちの感想を聞いて、親の私が「無関心派ですから」なんて言っていられないと反省した。

「俺たちマイノリティ世代のためにも、父さん、母さんはちゃんと選挙に行ってよ! なんか投票済みの証明書を見せると、某ラーメン屋さん(よく家族で行く)は、卵1個か替え玉無料だって!」という息子の言葉。あんなに色々語ったのに、結局ラーメンなのか、息子よ!! とは思ったが、君の思い、両親はしかと受け止めた! 選挙が終わったら、3人でラーメン食べよう。私に選挙について、もう一度考えさせてくれたお礼に、母さんがもらえる卵は息子に譲るよ!