過去に数々のティーン誌のライターを経験し、10代の声を聞いてきたライターの太田奈緒子さん。現在は、高校1年生の息子さんと同世代の子どもの声をリサーチし、子どもたちが感じているコロナ禍のモヤモヤやSNSでの誹謗中傷問題などを記事化してきた。

「子どもの声は大人から見れば青いと感じるところも多いかもしれない。でも、その分物事の本質を伝えていると感じることも多い。コロナ禍、大人たちも大変で自分たちのことで精いっぱいになってしまった。でも、次世代を作っていく10代の声に、もう少し耳を傾けなくては、と自らも反省することは多い」と太田さんは言う。

今回は、間近に迫る選挙についての子どもたちの本音を、時間をかけて複数の10代に取材。彼らは大人たちが考える以上に選挙について考えていて、つたないながらも知識も持っていた。しかし、その奥には絶望も……。選挙権がない未来の世代が感じている選挙への思いを寄稿してもらった。

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僕たち10代は、完全なマイノリティ

最近の息子の口癖は「俺、マイノリティだから」。息子限定のブームらしく事あるごとに「マイノリティ」を自称している。きっかけは10月半ばの夕食時「コロナワクチンの接種率(1回目以上)が国内人口の7割を超えた」というニュースを家族で見たことだった。

「ん? 大人や俺らの世代にもまだ打っていない人・打ててない人もいるし、小学生以下の子どもはワクチン接種の対象外だよね。なのにもう7割超え? ちょっと数字、盛ってない?」
そういう息子に夫が答える。
「少子化で、子どもの割合が減ってるからじゃないかな」

計算だけは得意な息子、人口調査データをスマホで調べ、電卓アプリで計算をはじめた。
「えーと、日本の総人口が約1億2533万9千人。で、13歳未満ってのは見つかんないなぁ……、15歳未満の人口でいうと1488万6千人か。え? 全人口の12%弱ってマジ? んじゃ、20歳未満だと? 約2000万人で16%(※1)……!? なんか少なくね?」

「街に子どもや若者が少ないわけだねえ……」と私。

ちなみに高齢化社会ながら、近年出生率が上がってきたといわれるフランスの場合、全人口6725万人中、15歳未満は約1160万人で、全体の17.8%。20歳未満の場合は約1280万人で19%ほど(※2)。イギリスは全人口約6750万人中、15歳未満は約1200万人で17.7%、20歳未満の場合は約1568万人で20%(※3)。

アジアを見てみると、日本と同じく少子化が問題となっている韓国は総人口約5100万人中、15歳未満は約653万人で12.7%、20歳未満の場合は913万人で約18%(※4)。
タイは総人口約7000万人中、15歳未満は1170万人で16.8%、20歳未満だと1616 万人で23%(※5)。

やはり日本の子どもは、世界的に見てもダントツで少ない

10代がマイノリティだと感じるほど、日本の人口比には危機的な歪みが生じている。photo/Getty Images

「やっぱ俺たち、マイノリティなんだ。頭いい友達が『子ども庁作るって話が立ち消えになっちゃったのは、俺達子ども世代が少数派だからだよ』って言ったときは『はぁ?』って思ったけど。確かに、コロナでもなんか、後回し感大きいし。学校で性的マイノリティについて考える授業があったときに初めて『マイノリティ』って言葉を知ったけど、そもそも10代全体が『マイノリティ』なんだ!」
この発見は、ずいぶん息子の胸に響いたらしい。

※1:https://www.stat.go.jp/data/jinsui/new.html
※2:https://graphtochart.com/population/france-pyramid.php#graphpyramid
※3:https://graphtochart.com/population/united-kingdom-pyramid.php
※4:https://graphtochart.com/population/korea-republic-of-pyramid.php
※5:https://graphtochart.com/population/thailand-pyramid.php