2021.10.30
# 選挙

「選挙」と「妖怪」の意外な結び付き…いまこそ思い起こすべき、柳田国男が発した警句の数々

国会を“監視”し、議員を選ぶ

明日10月31日、岸田内閣の発足にともなう第49回衆議院総選挙がおこなわれる。

昨年春以来のコロナ禍が終息をみつつある現状で、政権与党である自民党は「新しい資本主義」を旗印にかかげ、野党はこの間の与党の感染症対応を失政だと捉えて、政権奪取を訴える。しかし、パンデミックが落ち着きつつある今、選挙の争点が明確だとは言えず、ポピュリズムとしか言えない公約が叫ばれ、有権者の方には相変わらず、政治に対する無関心は払拭されそうにない。このような状況下で、私が真っ先に思い起こす識者が草した一節がある。

「国会できめたことがよいかわるいかによって、国民が幸福になるか不幸になるかがきまります。国の政治が、国民の選挙した国会議員によって行われるということをよく考えて、りっぱな議員を国会におくるようにしなければなりません」。

[PHOTO]iStock
 

国会が決めた法律をチェックし、国会議員を選ぶ際の基準にすること――。上の引用は『遠野物語』や『妖怪談義』など妖怪研究で知られる民俗学者の柳田国男が、1954年に編集した小学校用教科書『日本の社会』に記されているものなのだ。柳田はじつは、大正デモクラシーのもとで沸騰した普通選挙運動の論陣を張り、その後も継続して、選挙や投票行動にかんする警句をたびたび発していたのである。

しかも、柳田のなかでは、河童や天狗や一つ目小僧の研究と、“よき選挙民”を育てることはひとつながりの行動であり、実践だった。「妖怪」と「選挙」、決して交わることがなさそうな、このふたつを結びつけるのは、いったいどのような理屈だったのだろうか。

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