大波が叩き折られた留萌港の白灯台

世界最大級の大波で叩き折られた、美しき白亜の灯台が復活!

夕陽の町の絶景ポイントのシンボル

4階建てビルほどの大波が押し寄せ

北海道留萌市の海岸は、日本海に沈む夕陽が美しく、「日本の夕陽百選」に選ばれています。

僕が写真を撮り始めたのは、この夕陽を撮りたかったのが動機でした。

留萌港の入り口には、左右の防波堤の突端に紅白の灯台2基があり、美しい夕陽との相性が抜群なんです。この灯台の間に沈む「だるま夕陽」が撮りたくて、留萌を訪れるカメラマンもいるくらいです。

留萌港の2基の灯台(左、赤灯台。右、白灯台)の間に沈む夕陽
夕陽に染まった留萌の海岸。白灯台の遥か向こうに浮かぶ利尻富士

一方で、留萌の海は、世界三大波濤(インドの「マドラス」、スコットランドの「ウィック」と留萌)のひとつに数えられるほど荒れる海でもあります。

特に冬は、西から吹く季節風にあおられて、10mを超える大波が押し寄せることも珍しくありません。10mを超えるというと、4階建てのビルに相当する巨大さです。

留萌港の歴史は、開港以来、この大波との闘いの歴史でした。何度も港の構造物が破壊されてきたため、今、防波堤の外には、80トン型という世界最大級のテトラポッドが投入されています。

2017年12月26日。暴風波浪警報が発令されるなか、この留萌港に悲劇が起こりました。

留萌港を守る名物灯台2基のうち、右側の白灯台が、巨大な波のパワーで叩き折られてしまったんです。

まだ折れる前、大波濤のなかすっくと立っていた白灯台
折れた直後、海面に台座だけが残っている
こちらは、大波に耐えた赤灯台

全国ネットのニュースでも取り上げられ、地元の漁師さんが呆然としながら、「灯台がもげた!」と、浜弁で呟いた姿が忘れられません。

数日後、港に沈んだ灯台が引き上げられました。

海中から引き揚げられた灯台

その様子を撮影に行ったとき、無残な灯台の姿を見て、僕は、白灯台が再建されるまでを記録しようと決意しました。

 

LED照明で明るさは1.3倍に

港の防波堤の突端、白灯台のあった場所に新たに作られる頑丈な土台。
港の片隅に周囲に組まれた足場。
徐々に空に伸びていく灯台。

防波堤の突端での新たな土台作り
港の一隅に足場が組まれ、灯台本体の建設が進められた
完成間近の白灯台

2021年9月27日、ついに、完成した白亜の灯台が船で運ばれ、防波堤の土台に設置されました。

新灯台は、コンクリート製高さ約17.6メートル、直径約2.9メートルの円筒型で、重さは約145トン。電力はすべて太陽光発電でまかなわれます。

上部にはLEDの照明を取り付け、明るさは旧灯台の1.3倍で、光は14km先まで届くそうです。

9月27日、防波堤の突端に設置された新灯台

10月中旬には再点灯も始まりました。

なんと、再建まで4年の月日が流れました。時がたつのは早いですね~。

港湾関係者、海運事業者、猟師の皆さんの喜びはひとしおだと思いますが、僕ら住民にとっても、留萌の海のシンボルの再興は待ちかねた慶事です。

コロナ禍も徐々に収まりつつあるようですが、自由に旅行ができるようになったら、日本屈指の夕陽の絶景、世界トップレベルの大波と、美しい白亜の新灯台を見に、ぜひ留萌にもいらしてください。

関連記事

おすすめの記事