初めて「ご遺体を焼くところ」を見た
火葬炉の火の中で動き出すご遺体、火葬中に破裂したご遺体の骨片や肉片による怪我、ずっしり重く豆腐のような状態で棺に収められた水死したご遺体――。著書では、下駄華緒さんが出逢った様々なご遺体との体験談が綴られている。本記事では、下駄さんが初めて「ご遺体を焼くところ」を訪れた際のエピソードを紹介する。
火葬場職員となった初日、下駄さんは先輩に連れられ、頑丈な鉄扉を開く。そこは焼却炉の裏――炉裏(焼き場ともいう)、火葬場の本丸と呼べる場所だった。
ここで、小窓からご遺体の焼け具合を確認するのが仕事なのだという。職員はデレキという棒を用いてきれいな状態の遺骨にするためにご遺体の姿勢を整える。下駄さんは(ただ焼けばいいってモンじゃないんだな…)と感嘆する。
「見る?」先輩にうながされ、いざ小窓から火葬の様子を覗いた下駄さん。そこには驚きの光景が広がっていた――。
後編【ご遺体は血を噴き出しながら起き上がった…火葬場職員が思わずパニックを起こした壮絶体験】に続きます。