世界中でランキング1位を記録し、すでに1.4億視聴を越えたというNetflix配信の『イカゲーム』。これはNetflix過去一の記録だという。
「単なるデスゲーム」
「いや、世の中の縮図を象徴している」

など、さまざまな意見や考察などが今も続き、イカフィーバーは留まるところを知らない。

この現象、現地韓国ではどのようにとらえられているのだろうか? さらに、「これを知っておくと『イカゲーム』がもっとおもしろくなる」というポイントを、独自の視点で韓国情報を伝える『韓国人YouTuber JIN(仁)』さんに、詳しく伺ってみることに!

韓国・ソウルのオリンピック公園に出現した『イカゲーム』に登場したヨンヒ人形のレプリカの前で記念撮影する人たち。photo/Getty Images
ドラマ内でゲーム参加者が着用する緑ジャージも人気。犬までも緑ジャージ姿……。photo/Getty Images
【イカゲームとは?】
定職もなく、借金だらけの47歳のソン・ギフン(イ・ジョンジェ)。妻とも別れ、娘とも会うことはままならない。娘の誕生日のプレゼントを買うために、年老いた母親のお金に手を出すが、結局はギャンブルにつぎ込み、そのお金も盗まれてしまう。何をやってもうまくいかない。

そんなとき、地下鉄のホームでスーツ姿の謎の男から名刺を渡される。勝てば大金が入るという「イカゲーム」への勧誘だったのだ。疑心暗鬼ながらも借金だらけのギフンはそのゲームに参加することになる。目隠しをされ、どこに連れてこられたのかもわからぬまま緑のジャージに着替えさせられた参加者は456名。老若男女の参加者の中には、ソウル大学出のエリート証券マンの幼なじみ、チョ・サンウ(パク・ヘス)もいた。
そして、第一のゲームは突然開始された……。

ゲームは昔懐かしい子ども時代の遊びをモチーフにしていて、全部で6つ。すべてクリアすれば456億ウォン(約43億円)を入手できる。しかし、それは「最後まで残る人が勝者となること」を意味していた……。
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実際、韓国ではどんな評判なの?

韓国の今朝のニュースでも、相変わらず『イカゲーム(韓国語ではオジンオゲーム)』の話題が出ていました。今や芸能人のみならず、政治家もこの作品のことを口にしています。

10月20日にソウルで行われた労働対策に反対するデモでも、『イカゲーム』の衣装とマスクをつけた人たちが大勢出現。photo/Getty Images

ただ、韓国で『イカゲーム』が最初からバズっていたかと言われると、そうではありません。Netflixで配信が始まった時は「『バトル・ロワイアル』みたいなデスゲームだけど、お互いに助け合うあたりがちょっと違うんだね」とか「さほど製作費はかかっていなさそうだし、そんなに出来がいいわけでもないかな」といった感じで賛否両論でした。

ところが世界中で大ヒットするや「やっぱりよく観たらいろいろすごいよね!」と、世論は一気に手のひら返しに(笑)。今や韓国では「『イカゲーム』を批判するなんてとんでもない」という雰囲気になっています。誰かが考察をすると、「いやいや、それは違う、こうだろう」とみんなが『イカゲーム』のことを話して、何でも『イカゲーム』に結び付けてしまう感じですね。

『イカゲーム』で、主人公のソン・ギフンを演じているのはイ・ジョンジェ。映画への出演が多く、普段はビシッとしたスーツ姿でカッコイイ役を演じている人気俳優です。彼が今回のように、ろくに働かず、老いた母親のお金をくすねてギャンブルをするようなダメ人間を演じるのは本当に珍しい。多くの韓国人は、イ・ジョンジェがこの役柄を演じたことに驚きました。たぶん監督が、イ・ジョンジェのクールなイメージを壊したかったという意図もあったんじゃないかなと思います。

海軍の特別部隊士官、政治家補佐官などエリート役が多かったイ・ジョンジェ。photo/Getty Images

実際、イ・ジョンジェは役作りにかなり苦労したらしく、ただ悪いだけのキャラクターでは視聴者に訴えかけるものがない、もう少し人間味を出したいと監督に直談判したのだとか。第1話で魚屋のおばさんにサバをもらうシーンがありますが、帰り道で野良猫にその魚を分けてあげるやさしさを見せるのは彼のアイデアだそうです。