東京で握った「寿司データ」をアメリカで「出力」する…フードテックの世界はここまできていた…!

食文化をIoTやバイオテクノロジーといった革新的な技術でアップデートする、それがフードテックだ。最近、よく耳にするフェイクミートもフードテックのひとつ。これまでの代用肉が大豆を肉の食感に加工したものに対して、生物学的に肉の構造を分解し、大豆を基本とする肉以外の素材で肉を再構築したもので、大豆肉とはコンセプトも製法も別次元だ。赤い食用染料で肉汁まで再現してある。

フードテックのイベント、スマートキッチン・サミット2017ではフードテック市場が2025年に700兆円市場との予測が出て話題となった。アメリカではすでにフェイクミートメーカーが株式資産1兆円を超え、日本でも話題となっていた。

そんな中、2018年に日本の『OPEN MEALS(オープンミールズ)』というグループが発表した『寿司テレポーテーション』が、日本オリジナルのフードテックとして注目を集めた。寿司をデジタルデータ化、専用の3Dフードプリンタへデータを送り、寿司を作ろうというのだ。 3Dプリンタで寿司を作るという突拍子のないプロジェクトをなぜ思いついたのか。目的は何なのか。企画立案した電通のアートディレクター、榊良祐に話を聞く。

 

食べ物をデータ化して配信する?

「私が代表を務める『OPEN MEALS(オープンミールズ)』というフードテックを考えるグループは2015年に起ち上がりました」

OPEN MEALSは食とテクノロジーとアートを掛け合わせ、未来の食文化・食産業をどのようにアップデートするかを目的として活動している。そのため、メンバーにはアート系のクリエイター、食の分野からは食品メーカーの研究者やエンジニア、料理店のシェフ、テクノロジー分野として大学や企業のエンジニアなど職域を越えた人たちが広く参加している。

「これまで私どもは7つのプロジェクトを提案しています」

プロジェクトは次の7つ。

・デジタルおでん
・フードベース
・ピクセルフードプリンター
・寿司テレポーテーション
・キューブ
・寿司シンギュラリティ
・サイバー和菓子

寿司シンギュラリティのイメージ図。これはコンセプトイメージだが、実際に店舗を作る計画があるという

なんといっても注目されたのは『寿司テレポーテーション』である。

「私たちが広く世間に知られたのは2018年に発表した『寿司テレポーテーション』ですね。食をデータ化して世界中に転送してどこでも食べられるようにするというコンセプトで、話題になるように寿司を選びました。東京で握った寿司をアメリカで出力して食べるというのは、もし可能になれば面白いですよね」

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