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レジャーでの「クロマグロ釣り」が全面禁止された驚きの「背景と事情」

「キャッチ&リリース」も禁止に

「黒いダイヤ」とも呼ばれるクロマグロをめぐって、今年8月下旬から、漁業者ではなく一般の釣り人向けに適用され始めたルールがあるのをご存じだろうか。それは「一切釣ってはいけません」「キャッチ・アンド・リリースもだめ」というもので、来年5月末までレジャー・「釣り」での採捕が全面禁止となっている。

特定の魚種の海釣り禁止は、今回が初めてで、違反者には1年以下の懲役、50万円以下の罰金が科される可能性がある。

クロマグロといえば青森・大間の一本釣りが印象的だが、生業として命がけの漁に挑むのとはまったく逆。かつては俳優の松方弘樹も楽しんだレジャーとしてのクロマグロ釣りに、禁漁ならぬ「採捕禁止」という決定が下されたことで、太公望(釣り好き)からは「厳し過ぎる」といった声も上がっている。いったいなぜ、クロマグロだけが「釣り禁止」なのか、その経緯を振り返ってみる。

クロマグロを釣り上げた男性(釣り人提供)
 

資源自体は回復してきているが

寿司ネタとして、最高のトロが取れることから人気のクロマグロ。日本が世界最大の消費国だが、一時は資源量が減少し、かつてワシントン条約締約国会議で国際商取引の禁止といった厳しい規制が議論されたほど。今では中国や欧米はじめ、世界的にマグロ需要も伸びており、関係国の資源管理策が徹底されていることで、クジラの二の舞(=捕獲禁止)は回避された。

漁業では世界の各海域で国ごとに漁獲枠などが設定され、厳格な資源管理が当たり前になっている。その甲斐あって最近では、規制強化というより「緩和」の兆候さえある。太平洋のクロマグロを管理する国際機関「中西部太平洋まぐろ類委員会(WCPFC)」では、資源が回復傾向にあることから、2022年に30キロ以上の大型魚の漁獲枠を21年に比べ、15%引き上げる方向で調整が進められている。

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