1億超のアパート経営も考えたけど…
Sさんが不動産投資を考え始めたのは、2007年頃。不動産価格が上昇し、ファンドバブルとも言われた時期だ。
大手企業に勤務していたSさんは、自宅に親と同居しており住宅ローンもなく融資も通りやすい状況。年収も800万円を超えており、不動産会社から紹介された1億を超える中古のアパートを前向きに検討していた。
郊外のそれほど人気のないエリアだったが、不動産投資をするという高揚感から舞い上がっていた。しかし、借入額の大きさから家族の大反対にあって購入を断念。その後、リーマンショックが起きて不動産価格は大きく下落した。危うく難を逃れ、不動産投資の怖さを知った。
そして不動産投資の目的を改めて考え、たどり着いたのが中古マンション投資だ。
一棟ものの収益物件に比べると、借入によるレバレッジが小さくなるのでリターンの総額は小さくなる。しかし、価格が抑えられ、返済リスクや資産価格の下落リスクも限定的だ。さらに、中古マンションなら新築マンションに比べ価格も安くなる分、高い利回りも期待できる。
しかし、難しいのは中古マンションの見極めだ。中古マンションの売り出しは、首都圏だけでも年間10万件以上。その中から価値あるマンションを探すのは、不動産知識の乏しい素人では困難だ。Sさんは、自分で判断することを諦め市場に詳しい不動産コンサルタントに相談した。