中国「不動産税」導入決定で富裕層が恐れ慄く「文化大革命の恐怖」再来

「共同富裕」のスローガンのもとで

ついに来るべきものが来た

中国という社会は、動かない時は長く動かないものだが、動く時には一気呵成に激変する。何のことかと言えば、今世紀に入って中国の飛躍的な経済成長の牽引役となってきた不動産の問題である。

先週末の10月23日、第13期全国人民代表大会常務委員会第31回会議が開かれた。

全国人民代表大会(人大)というのは、中国の国会のことで、現在の第13期は2018年3月5日、2980人の代表(国会議員)によって始動した。人大は毎年3月5日から、1週間から2週間くらいしか開かれない。中国は広大なので、それ以外の時期はそれぞれの任地で仕事するようにと指導されている。

その代わり、北京では175人からなる常務委員会が不定期に開かれ、法律を定めていく。いわば「国会の中の国会」だ。議長は、習近平(しゅう・きんぺい)主席の30代の時からの盟友である栗戦書(りつ・せんしょ)氏が務めている。

その人大常務委員会が、異例の土曜日に開かれたのだから、相当重要な、もしくは迅速に議論すべき案件があったということだ。

Gettyimages
 

新華社通信が同日午後5時3分、この日に人大常務委員会で議決された不動産に関する内容を伝えた。以下がその全訳である。

〈 不動産税(房地産税)の立法と改革を積極的・穏当に推進し、住宅の合理的な使用と土地資源の節約・集約利用を促し、不動産市場の平穏で健全な発展を促進するため、第13期全国人民代表大会常務委員会第31回会議は、一部の地域で不動産税の改革のトライアルを展開する権限を、国務院(中央官庁)に与える。

1.トライアルを行う地域の不動産税の徴収対象は、住居用及び非住居用などの各種不動産で、合法的に使用している農村の宅地及び住宅は含まない。土地使用権者、住居所有権者が、不動産税の納税者である。非居住用の不動産は引き続き、「中華人民共和国家屋税(房産税)暫定施行条例」「中華人民共和国都市農村土地使用税暫定施行条例」に照らし合わせて執行する。

2.国務院は不動産税のトライアルの具体的な方法を制定し、トライアルの地域の人民政府は具体的な実施細則を制定する。国務院及びその関連部署、トライアル地域の人民政府は、科学的に行える収税管理モデルと手続きを整えなければならない。

3.国務院は積極的で穏当な原則に照らして、深化したトライアルと統一した立法を考慮し、組み立てていく。不動産市場の平穏で健全な発展などの状況が促進するようトライアル地域を確定し、全国人民代表大会常務委員会に予備案を報告する。

本決定の授権のトライアル期間は5年で、国務院のトライアル弁法の発布日から起算する。トライアルの中で、国務院は適当な時期にトライアルの経験を総括する。また授権期間満期の6ヵ月前までに、全国人民代表大会常務委員会にトライアルの状況を報告する。継続して授権が必要ならば、関連する意見を提出でき、全国人民代表大会常務委員会が決定する。条件が熟した時に、適宜法律を制定する。

本決定は公布の日から施行し、トライアル実施の期間は国務院が決定する 〉

以上である。30年以上、中国をウォッチしている私からすれば、ついに来るものが来たという印象だ。

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