Google「Pixel 6」レビュー!9つの長所と1つの欠点

AIが生み出す驚きの写真テクが面白い
西田 宗千佳 プロフィール

スマホでは撮影しづらい写真も楽々

テクニック不要、かつ、Pixel 6だけで撮影できるという意味では、以下の2枚の写真も重要なサンプルだ。

【写真】夜景や動きのある被写体でのスローシャッター写真上:車のヘッドライトやテールライトが流れて写っている。これも数十秒で簡単に撮影可能だ 写真下:電車の動きを強調して撮影した一枚。スマホでこのような映像を撮るのは意外と難しいが、Pixelならワンタッチ

上はPixel 6で、ほんの数十秒で撮った写真である。ヘッドライトがうまく流れ、雰囲気の良い写真に仕上がっている。

下は、駅に入ってくる電車を捉えたもの。車体が流れ、スピード感のあるカットになっている。

こうした表現は雑誌などでよく見かけるが、撮影にはそれなりのテクニックが必要だ。多くの場合には一眼カメラを使い、マニュアルで細かな設定をしながら撮影する。

スマホで撮影することも不可能ではないが、被写体が流れるのは失敗写真にもつながるので、「簡単に、でも正確に」がモットーであるスマホのカメラではなかなか難しいのが実状だ。

AIが「やらかした」一枚

これらはいずれも、Pixel 6のカメラにある「モーション」機能を使ったものだ。被写体に動きを残す、もしくは背景を流すには「モーションパン」を、ヘッドライトが流れるような写真を撮る際には「長時間露光」を使う。

これらの機能は、名称こそ一眼カメラでの撮影技法と同じだが、実際に写真をつくる方法はまったく異なる。スマホのカメラでは、再現が難しい点もあるからだ。

Pixel 6は、どうやってこれを実現しているのか?

じつは、オンデバイスAIによる画像合成を使っているのだ。だからこそ、簡単に誰でも撮ることができる。

一方、疑似的な合成なので、不自然な写真になることもある。

次の写真の赤い丸の内部をご覧いただきたい。電車が通り過ぎているのに、車体の向こう側にある看板が「すっきり・くっきり」映っている。合成で「動いていた部分が流れる」ようにしているので、たまたま看板だけ「流れなかった」例である。

【写真】AIによる加工判定のミス赤丸で囲った部分に注目。AIによる加工判定のミスで、その場所にある看板がすり抜けて写ってしまった

だから意味がない……というつもりはない。

前述の「消しゴムマジック」と同じく、完璧な加工ができているわけではないが、「誰もが簡単に撮影できて、楽しめる」のは1つの大きな価値だからだ。

このような写真を撮る面白さは、撮ってみて初めてわかる部分もある。スマホの合成機能が物足りなくなったら、本格的な一眼カメラを買ってテクニックを勉強する──そういう道筋があってもいいのだ。

「快適で不満点は少ない」、そして買うなら……?

最後にまとめておこう。

Pixel 6は快適なスマホだ。動作は軽く、アニメーションはなめらかで、カメラの画質もいい。オンデバイスAIの価値もよくわかる。カメラ部の出っぱりが目立つが、それはiPhoneでも同様だ。

指紋センサーの精度が思った以上に高くないのが気になるが、それ以外には、ハイエンドAndroidスマホとしてマイナス点はないように思う。スマホとしては最大級の大きさなので、この点がネックと感じる人はいるだろう。サイズや価格を許容できるならおすすめだ。

個人的には、ProよりスタンダードのPixel 6がお買い得である気がしている。ズーム性能などを除くと、使い勝手はかなり近いのに、価格が4万円以上安くなるからだ。

「とにかく寄って撮りたい」という要望がないのなら、Pixel 6のほうをおすすめする。

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