Google「Pixel 6」レビュー!9つの長所と1つの欠点

AIが生み出す驚きの写真テクが面白い
西田 宗千佳 プロフィール

ベンチマーク性能より重視したもの

さて、冒頭でも述べたように、Pixel 6シリーズは、Googleの自社設計によるプロセッサー「Google Tensor」を採用した初めてのスマホである。

Google Tensorに関しては、クロック周波数などの詳細は公開されていないが、どうやら6でも6 Proでも同じものが使われており、ベンチマーク上の性能も変わらないようだ。

ベンチマークツール「Geekbench 5」を用いたCPUテストの結果は以下に示すとおりだ。これは、Android向けのプロセッサーとしては「シングルコア性能ではトップクラスだが、マルチコア性能では昨年のハイエンド機並み」という値である。「ぶっちぎりの最高性能」というわけではない。

【写真】Geekbench 5での、Pixel 6とiPhoneのテスト結果写真左:Geekbench 5での、Pixel 6のテスト結果。シングルコア性能はAndroidトップクラスだが、マルチコア性能はそこまで高くない 写真右:Geekbench 5での、iPhone 13 Pro Maxのテスト結果。ベンチマーク結果だけなら、どのAndroidスマホよりもずっと速い

iPhone 13 Pro Maxの値も併記したが、こちらはシングルコア/マルチコアともに、Androidのトップスコアを4割から6割も上回る、文字どおり「ぶっちぎり」の値だ。

ただし、Googleはそもそも、「CPU性能でトップとなるプロセッサー」をつくろうとしたわけではなさそうだ。だから、ベンチマークの値だけで優劣をつけるのは正しくない。

重視された2つのポイント

では、Google Tensorはどこが違うのか?

「オンデバイスAI性能」と「セキュリティ」だ。Googleみずから、この両者をチップ内に備えていることがGoogle Tensorの特徴だ、と説明している。

【写真】Google Tensorの内容、「TPU」と「Security」がキモだGoogle Tensorの内容。左側にある「TPU」と「Security」がキモだ

オンデバイスAIは、音声認識や画像認識、カメラ機能の向上などに大きな役割を果たす。これは他社のスマホ、たとえばiPhoneなども追求している方向性だが、特にPixel 6では、さまざまに新しいアプローチが採られている。この点は、あえてのちほど、詳細に解説したい。

セキュリティは、オンデバイスAIに比べるとわかりにくいかもしれない。OSやアプリの動作に不正なソフトが入り込むことを防いだり、データを暗号化し、スマホを紛失した際にデータが他人に抜き出されたりすることを防ぐ役割を果たしている。

とはいえ、セキュリティ面は明瞭にわかる性能差ではないし、短期間の試用では「ここがすごい」と指摘しづらい領域ではある。「セキュリティがハード的に強化されたから、このスマホを選ぶ」と積極的に考えられる人は少数派だろう。

ここでは、機能的に「セキュリティ」の管理機能がうまくまとめられ、一括でチェックできるようになった点を指摘しておきたい。これはAndroid 12の機能であり、他の機種でも使えるようになるものと想定されるが、非常に使いやすく、わかりやすい。

【写真】セキュリティの確認機能セキュリティ全体を俯瞰し、問題がないかどうかを確認する機能が搭載されている

こういうわかりやすさの背後にセキュリティ強化がある、と思えば、それは確かにPixel 6の魅力の1つだといえそうだ。

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