Google初の「自社設計プロセッサー」搭載スマホ
Googleの最新フラッグシップスマートフォン、「Pixel 6」シリーズの実機レビューをお届けする。
この連載の前回の記事〈「M1 Pro/Max」と「Pixel 6」に共通する戦略とは?(https://gendai.ismedia.jp/articles/-/88414)〉で解説したように、Pixel 6シリーズは、Googleとしては初めて「自社設計によるプロセッサー=Google Tensor」を搭載したスマホだ。その狙いは、「AIとセキュリティの強化」にある。
それがどういう意味をもっているのか、実機の機能で確認してみよう。
従来のラインナップとの違い
Pixel 6は、画面サイズとカメラ機能の違いにより「Pixel 6」と「Pixel 6 Pro」に分かれている。
Proとスタンダード……的なラインナップに対しては、これまでの慣習から「本体の大きさが違う」というイメージを抱きがちだ。実際、従来のPixelでは、スタンダードラインとサイズの大きな「XL」、というラインナップが多かった。
だが、Pixel 6とPixel 6 Proは、サイズ的にはそこまで違いはない。6が6.4インチ、6 Proが6.7インチと、Proのほうが大きいが、そこまで目立つ差ではない。実際、Pixel 6シリーズはどちらも相当に大柄だ。大柄なスマホの代表格ともいえる「iPhone 13 Pro Max」と並べてみると、どちらも似たようなサイズ感であることがわかる。

Pixel 6は、スタンダード/Proともに3色ずつが用意されている。今回試用したのは、6 Proがクリーム色に近い「Sorta Sunny」で、6が「Stormy Black」だ。
価格差は4万円
Pixel 6シリーズは、Androidの最新バージョンである「Android 12」を搭載して出荷される。
Android 12の特徴の1つが、「Material You」という新しいデザインスキームだ。ユーザーインターフェースのデザインやアニメーションが一新され、非常に見やすくなった。
デザインモチーフを維持したまま、統一性のある形で色の変更もしやすくなり、簡単に個性を出せる。だから、「You」と名前がついているわけだ。Pixel 6のカラーもMaterial Youのデザインスキームを意識しており、出荷時より、デバイスの色に合わせた設定になっている。

詳しくは後述するが、今回の目玉であるプロセッサーについては、Pixel 6とPixel 6 Proのあいだに顕著な差は見受けられない。価格については、6 Proが11万6600円から、6は7万4800円から(ともにGoogleからの直販価格)と、約4万円の開きがある。
両者の違いはどこにあるのか。