図書館の司書の仕事が変化してきた

「平成10年から23年間、司書の仕事をしています。司書の役割は本と利用者を結びつけること。わたしが就職するよりずっと前には、本の貸し出しや返却手続き、手書きで目録や分類ラベルを作ったりする作業に追われていたと聞きます。

でも今はITの活用によって作業時間が大幅に短縮できた分、イベントの開催やテーマ展示、書名や調べごとのお手伝いをする“レファレンスサービス”にもより深いところまで寄り添い、注力することができるようになって、図書館サービスの幅が広がってきたと思います。

というのもこの数十年で『図書館はもっと地域に開かれたものではければいけない』という意識が広がってきています。当館でも『なんでも聞いてもらえる環境を作ろう』とレファレンスサービスに力を入れるようになった経緯があります」(宮川さん)

確かに私が子どものころは、図書館といえば私語厳禁、司書さんはカウンターの奥で何やら忙しそうにしていて、声を立てようものなら「しーっ」のゼスチャーで注意されたり、返却時には本を汚していないかチェックする図書館を守る「本の番人」みたいな怖いイメージだった(あくまで個人の感想です)。しかし最近は、司書さんのイメージも「番人」から本の「案内人」に変わってきているという。

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図書館同士の連携プレーが謎解きの秘密兵器

いったい、どのくらいの質問に答えているのだろう?
「1日あたり50~70件  くらいですね。ほとんどは『この本、ありますか?』といった簡単な所蔵の問い合わせですが、本に限らない調べ物のご相談もあります。

調べ物をするとき、私達の秘密兵器になるのが”レファレンス協同データベース”です。似たようなお問い合わせが過去にないか探すほか、未解決の場合はその事例を登録しておくと、他の参加館の司書の方が追加で調査して答えを探してくれることもあります」(宮川さん)

図書館を超えた司書さんの連携とは心強い。「この分野は、あの図書館が強い」みたいな特徴はあるのだろうか。

「児童書や絵本は、大阪国際児童文学館のある大阪府立中央図書館が強いですね。また大学図書館や専門図書館は専門知識が必要な調べものに強く、当館の植物についての質問で未解決として挙げた事例を、農林水産省図書館の司書さんに助けていただいて、スパッと解決したこともあります。

図書館同士の連携でいえば、全国の図書館の蔵書を調べられる『国立国会図書館サーチ』というものもあります。地元の図書館にない本も、どこかの図書館に蔵書がある場合、禁帯出などの本でなければ図書館間貸し出しという制度を使って、目当ての本を近くの図書館へ取り寄せて借りることもできるんですよ」(宮川さん)

photo/iStock