世の中と国会のギャップを埋めるための3つの可視化

2015年に東京都渋谷区・世田谷区がスタートしたパートナーシップ制度は、2021年10月11日時点で全国130自治体が導入し、すでに日本の人口の41.1%をカバーしている状況です(渋谷区・虹色ダイバーシティ 全国パートナーシップ制度共同調査)。世論調査などでの同性婚への賛成の割合は過半数を超えるようになっていて、最新の研究者グループによる全国調査(『性的マイノリティについての意識:2019 年(第2回)全国調査報告会配布資料』JSPS 科研費 (18H03652) 広島修道大学 河口和也代表)によると、賛成の割合は64.8%に達しています。金沢の豆腐屋さんのような方々はごく一部なのではなく、過半数を大きく超えているのです。

また、193社の大手企業等が「結婚の平等が実現していないことがビジネスに悪影響を与えている」として、同性婚の法制化への賛成を表明しています(2021年10月20日時点:「Bussiness for marriage equarity」より)。

では、国会はどうか。2021年2月の菅首相による答弁は、「…極めて慎重な検討をする必要がある」と述べられるのみ。それどころか、6月の通常国会において、LGBTQ+に対する差別をなくすための法案が提出されるかどうかのタイミングで、一部の自民党議員からはLGBTQ+に対する極めて差別的な発言がなされるほどで、結局は法案提出にも至りませんでした。

衆院選公示日前日の10月18日、日本記者クラブで行われた党首会談。選択的夫婦別姓とLGBT法案について賛成の手をあげなかったのは、自民党の岸田文雄総裁のみだった。岸田氏はもともと前向きな姿勢をとっていたのだが Photo by Getty Images
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この、世の中と国会の間にある大きなギャップを埋めていくために、「同性婚」に関して、3つの可視化が必要なのではないかと考えています。それは、「マリフォー国会メーター」に込めた思いでもあります。

一つ目は、世の中と国会の間に確かに存在するギャップ自体を、きとんと社会に対して可視化していくこと。「まだ、国民の理解が...」「欧米と違って日本はまだ議論を...」など、よく聞く答弁によって、「自分が思っている世の中とは実は狭くて、日本全国という視点で見ると、実際は違うのかも」という誤認が生まれている可能性もあるかもしれません。

二つ目は、国会議員や候補者に対して、「自分自身の同性婚に対する意向が、明らかに有権者からチェックされている」という事実を可視化すること。つまり、きちんと「同性婚」と向き合い、情報を得て理解を広げていかないと、自身の得票率に大きく関わることなのだと理解してもらうことです。

そして、三つ目は、「同性婚」を選挙のひとつの争点として可視化することで、LGBTQ+の当事者やその周りの方々に対して、「同性婚」を求めることは、法の下に平等である国民のひとりとして、当たり前の権利であると伝えていくことです。私自身、この三つ目が、「マリフォー国会メーター」の一番大切な役割だと考えています。