「アップルウォッチ外来」の需要が急増…無自覚の不整脈、孤独死回避にも一役

心電図機能で「心房細動」を早期発見

気が付くと、仕事関係者の腕にApple Watchを発見することが増えてきた。一番多いのは、「健康(ヘルスケア)機能に惹かれて購入した」タイプだ。コロナ禍で外出の機会が減り、ジムにも通えていないせいで太ったという人が、せめてもの健康増進にと買っている。一方で、「便利そうだけど、べつになくても困らない」と購入を見送っている人も少なくないだろう。

ただ実は、医療の面から見ると、Apple Watchは一般に思われている以上に使える。それも10代~80代まで、幅広い年齢層の「生命の危機の回避」に役立つ可能性がある。

特に注目されているのは昨年秋に医療機器認証を取得した「家庭用心電計プログラム」(心電図アプリケーション)と「家庭用心拍数モニタプログラム」(不規則な心拍の通知プログラム)の2つ。国が医療機器として認めたということは、それだけ信頼できるということで、昨今は「アップルウォッチ外来」を開設する医療機関も増えている。

なかでもニューハート・ワタナベ国際病院(東京都杉並区)の大塚俊哉医師(同院 ウルフ‐オオツカ低侵襲心房細動手術センター長)による、無料のアップルウォッチ外来には、今年4月末の開設以来、毎日のように相談が寄せられている。電子メールを介して患者から送られてくるApple Watchの心電図(PDF)をもとに、「心房細動(しんぼうさいどう)」の有無や治療法等の質問に答えるのだ。

大塚俊哉医師
 

心房細動は、頻脈(ひんみゃく)や徐脈(じょみゃく)といって脈が速すぎたり遅すぎたりするいわゆる「不整脈」が生じ、最悪の場合、死に至る脳の病気「血栓性脳梗塞(けっせんせいのうこうそく)」を引き起こす。つまり、心臓の病気でありながら、重大な脳の病気の原因にもなる恐ろしい病気だ。重症化するリスクも極めて高い。高齢化に伴って患者数は増加の一途を辿っており、日本の推定患者数は100万人以上。著名人では、長嶋茂雄元巨人軍監督やイビチャ・オシム元サッカー日本代表監督、故小渕恵三元総理も、心房細動から脳梗塞を発症したとみられている。

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