【問題】紙で立方体や円柱を最大限に無駄なく包む方法とは?

「紙ロス」を最小限にする雑学数学
横山 明日希 プロフィール

立方体で考えてみる

さて、ここまでは厚みのない形を紙で包むことを考えてきましたが、次は現実の状況に近づけてみましょう。包みたいものが立方体である、としましょう。先ほどと同じように、「1辺の長さが10cmの立方体を包みきることができる最小の面積の紙」を考えてみます。

さて、まずどんな風に考えましょうか。

たとえば立方体の展開図を考えてみると、なんとなく方向性が見えてくる気がします。すべての展開図を並べて見てみましょう。

こんな感じですね。

図4

展開図から考えてみる

そこで、これらの展開図の向きは回転させずに、包む方の長方形の紙に収めていくことを考えると、展開図のたて×よこのマスの数は2~3コマ×4~5コマのバリエーションしかありませんから、

たて×よこ=30cm×40cm(図5上)

または

たて×よこ=20cm×50cm(図5下)

のどちらかの形の長方形の紙になることがわかります。

【図】たて30cmよこ40cmとたて20cmよこ50cm図5

それぞれ、図5でAの場合の面積は1200平方cm、Bでは1000平方cmとなって小さい面積で済むことがわかります。

さらに工夫すれば、より小さな包装紙でOK

さて今回お見せしたいのは、ここからさらに工夫することが可能なことです。それをこれからご説明しましょう。最初の例で挙げた正方形1枚のケースほど、明確な直観的なわかりやすさはないかもしれませんが、少し斜めにずらすことで、より面積の小さな長方形で包むことが可能なのです。

 
【図】少し斜めにずらすことで、より面積の小さな長方形で包むことが可能図6

すこしわかりにくいかもしれませんが、以下の図に振ったA同士の領域や、B同士の領域を合わせていく過程で正方形の面がそれぞれ1面できていきます。CとDは4つのすべて領域がくっつくことで1つの面ができます。真ん中の正方形に合わせて立方体を包んでいく過程を考えると、灰色の部分が内側に織り込まれることになり、立方体を包みきることができることがわかると思います。

【図】立方体を包みきることができる図7

これまでと同様、この紙の面積を考えてみましょう。考え方としては、正方形の1辺が10cmであることに着目して考えるのですが、計算すると

縦の長さが6√10cm、横の長さが12√10cmとなり、面積は720平方cmとなります。元の大きい紙では面積が1200平方cmだったので720÷1200=60%と、なんと6割ほどの紙の使用量で済むということがわかりました。かなり節約できますね。

現実の場面で贈り物を包装する際に、紙を少し斜めにして包んだ経験がある人はいらっしゃるのではないでしょうか。確かに実際に計算してみると上記のような結果が出るので、実生活での感覚が正しかったり、それによって4割も紙を節約できることなどがわかり、とても楽しめるのではないかと思います。

ちなみに、包まれる立方体の表面積は10cm×10cm×6面=600平方cmなので、先ほどの包み方だと、重なっている余計な部分の割合は720÷600=120%で、20%程度のみとなります。この結果からもかなり無駄を省いていることがわかります。

さらに面白いことにこの残りの20%ですが、同じように斜めに包む方法でさらに小さくしてゆくことが可能です。いったいどこまで削り取る事ができるのか? 答えは少し説明が複雑となるので今回は割愛しますが、ぜひ気になる方は実際に包んでみたりなどして、ぜひ考えてみると面白いと思います。

では次に、立方体以外の「包む」についても少し考えてみたいと思います。

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