資本主義がなくなると「好きなこと」だけで食べていける?

経済学者バルファキスとクリエイターエコノミー
元ギリシャ財務相にして異色の経済学者が書いた『クソったれ資本主義が倒れたあとの、もう一つの世界』。経済SF小説という意表をついた形式で、読み手にポスト資本主義社会像を提示する。「仕事の評価方法」もその一つだ。「もう一つの世界」で人はどんなふうに働き、評価されるのか。本書の担当編集者が独自の視点でご紹介する。

誰でも「好き」を発信するクリエイターエコノミー

ある日ふと、「YouTuberになりたい!」と思ったけれど、やり方がわからない。公式サイトを見てみると「Creator Academy」という作成ガイドが出てくる。「ユーチューバー・アカデミー」ではないのだ。

The Atlantic』によれば、YouTubeは2011年頃から有力な動画製作者に対して「クリエイター」という言葉を使い始めた。「加工しまくりのキラキラ生活を発信するインフルエンサーとは違う!」というわけだ。音楽、ダンス、映像、料理、文章、なんでもいい。誰もが自分の作ったものを自由に発信する「クリエイター」という呼称はYouTubeの枠を超え、今やずいぶん定着しているようだ。

 

オンラインの発信はこれまで広告ベースで収益を得てきたが、クリエイターのコンテンツ自体を収益化するプラットフォームがYouTube以外にも登場し、「クリエイターエコノミー」が広がりつつある。2020年9月時点で5000万人が参加(『Forbes』)、新型コロナウイルス蔓延によるライフスタイルの変化で増加傾向だという。

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