韓国の「高齢者の貧困率」が、先進国で最悪になっている「深い理由」

制度上の問題があった

年金で生活費をまかなえない

9月末に2021年版の「高齢者統計」が統計庁より公表された。韓国の高齢者は経済的に厳しい状況におかれているが、「高齢者統計」を見ると、高齢者の厳しい現状を改めて数値で確認することができる。今回は、高齢者の経済的な状況を数値(以下の数値は特段の断りがない限り、「高齢者統計」による)で確認していこう。

高齢者が経済的に厳しいことは、まず、高齢者の生活費の準備方法から見て取れる。最新の数値である2019年を見ると、本人および配偶者が自ら得ている生活費は44.6%に過ぎない。なかでも年金・退職給与は14.4%に過ぎない。多くの先進国では高齢者は年金で生活費の100%近くを得ていることを考えると極めて低い水準といわざるを得ない。

〔PHOTO〕Gettyimages
 

この要因は公的年金制度がまだ成熟していないことである。韓国の公的年金である国民年金は1988年に創設された。しかし創設当初は常用雇用10名以上の事業所で勤務する被用者のみが年金の加入できたにすぎなかった。

加入対象範囲は段階的に拡大されたが、国民皆年金になるまでは10年以上経った1999年まで待たなければならなかった。年金は40年間加入して満額支給となる。よって現在においても、創設当初から公的年金に加入していた人でも満額受給できていない。

現時点での高齢者は、年金の支払いが終了する年齢になったときまでに、短い期間しか年金保険料を支払っていないため、年金を受給できたとしても少額しか受け取れない者が多い。少額でも受け取れればましであるが受給できないものも少なくない。

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