中国空母「遼寧」の行動を監視する米海軍 by US.NAVY

米国は長期的に対中抑止シフト、これがアフガン撤退とAUKUSの意味

今度は日本、台湾との同盟が最前線

AUKUS、西欧に背ではない、むしろプラス要因

バイデン政権によるアフガニスタンからの拙速の撤退の強行、そしてAUKUSと呼ばれる米英豪軍事協力が突然に発表された。欧州の同盟国は、トランプ前政権に比べて欧州を重視するとしているバイデン政権に対して、あらためて不満と不安を持つことになった。

モリソン豪首相(右)とオースティン米国防長官  by Gettyimages

とりわけ、AUKUSが合意した米英による豪州への原子力潜水艦技術供与により、豪州への潜水艦売却が事前の調整なしにキャンセルされたフランスは不満を持ち、マクロン大統領は米国および豪州に派遣した大使を帰還させる措置をとった。

バイデン政権の政策は、トランプ前政権の「アメリカファースト」の延長とも受け止められ、自国の都合で同盟国を見捨てるのではないか、という不安を持たせるのに十分であった。

中国国営の「新華社通信」や「環球時報」は、アフガンの首都カブールの陥落は米国の信頼感の崩壊を意味し、同盟国への米国の公約が信頼出来ないことを示したという論調でキャンペーンを行い、台湾海峡での軍事衝突が起これば、米軍は助けに来ないという論説まで掲載した。また中国はAUKUSの発表に対しても、地域の安全保障にきわめて無責任なものだと批判した。

 

バイデン政権の動きは、東南アジア諸国や欧州を少しでも米国から引き離し、自らに近づけたい中国の「輿論戦」に格好の材料を提供したわけだが、最初の衝撃からやや時間が経った現在、この2つの動きは、日本が位置するインド太平洋の安全保障においては、むしろプラスの要素も多いことが見えてきた。中国が輿論戦により、否定的な印象を地域に与えようとした気持ちもよくわかる。 

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